君が何回だって笑うから【実.況.者】

２５回目 ページ25

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「お願い、手伝ってくれない？」


休み明け、珍しく申し訳なさそうな顔をして茉白が頼み込んできたんだから断るわけにはいかない。

内容を聞いてみるとサッカー部のマネージャーの手伝いをしてほしい、とのことだった。
たまにやってるし今更改まらなくてもいいのに。

次の大会までは確か2週間くらいだったはず。
今までも何度か練習には顔を出していたからメンバーともそこそこ親しかったし、誰かの役に立つのは嫌いじゃない。

引き受けると茉白は「ありがとう」と言った。


「Aです！今日からしばらくお世話になるのでよろしくお願いします！！」


早速今日の放課後から参加することになった。
ぺこりと頭を下げてサッカー部に挨拶を済ますとすぐに仕事に取り掛かる。

茉白がスコア記録をしてる間にドリンクを作ったり軽い怪我の治療をしたり、確かにこれは1人じゃきついよあ...。
大会前だから皆熱が入ってるし。

そんなことを思ってるとこっちに近付いてくる足音が聞こえた。


「悪いA、コールドスプレーどこにあるっけ」

「怪我？足だよね、出して」


眉を下げたキヨは「ちょっと捻っただけ」と言ってた通り腫れは見られなかったけどこの時期に怪我は笑えないから念の為だろう。

気休め程度にスプレーをかけてあげると「さんきゅ」と人懐っこい笑顔で走って練習に戻っていった。

人の頑張る姿を見てると元気が出る。
それが普段ふざけてばっかのキヨなら尚更だ。

遠くで楽しそうに走る姿をしばらく見つめていた。

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