目の前の君へ真と偽を /ky ページ47
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「レトさーん俺の恋愛も手助けしてよー！」
「キヨ君だけは嫌。...っていうか、好きな子おるんか？」
「いや？いないけど」
俺がそう言うとレトさんは呆れたようにため息をついた。
朝からため息吐くと幸せ逃げるぞ。
いやだってさ、うっしーだけゴールインってずるくない？
レトさんは既に彼女持ちだからいいとして。
俺も華の男子高校生なんだから恋の一つや二つしてみたいわけよ。
何よりこいつらに俺だけ彼女いないことを馬鹿にされるのが嫌で堪らない。
「キヨせんぱーい！！！」
「...キヨ君もうあの子でええやん」
「...マジでこいつだけはないって」
抱きついてこようとするこいつを避けるとレトさんにぶつかりそうになっていたが、ギリギリのところで止まっていた。
あのままレトさんに突っ込んで恋でも始めてればよかったのに。
...それはダメか。
「私の話ですか！？好きになってくれましたか！？」
「あーうるせえよ！なんねえから帰れ！」
しっしっ、と追い払う仕草をすると一瞬俯いたAは直後笑顔になってまた抱きついてこようとした。
なんでこりねえんだこいつは。
俺も鋼のメンタルだと自負してたがこいつに出会ってからはむしろ繊細な方なんじゃないかと思ってきた。
「こいつレトさんの彼女の後輩だろー？だからレトさんに任せた！」
「俺関係なくない！？キヨ君に懐いてるんやから飼い主が責任持てや！」
「あっ、私のことペットだと思ってます！？それもいいですね！キヨ先輩と一緒にご飯食べたり眠ったり...素敵です！」
多分俺らが何を言っても笑顔で返してくる。
これ以上に疲れることは中々ないだろ。
ダメだ収集がつかない。
疲れ切った俺とレトさんを助けたのは予鈴の音だった。
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作者名：ユシア | 作成日時：2020年2月1日 12時
