後ろを向けば君がいた /us ページ45
.
「...幼馴染と恋人になるって無理だと思う？」
「...う、うっしーが恋愛相談...！？」
大袈裟に驚いてくるレトルトを小突きながら「うるせえよ」と言うとヘラヘラと謝ってきた。
Aが鈍すぎるのか俺の伝え方が下手なのか、もう高校生だと言うのに気付いてくれる気配が一向にない。
それを待ってるだけじゃダメだと分かってても、あと一歩が一番遠くて、踏み出せなかった。
「俺らってさあ...どっちが悪いと思う？」
「まあどっちもどっちやろ。強いて言うならうっしーは男なんやから頑張れとしか」
「そうなんだよなあ...」
びっくりする程情けない声が出たけど、レトルトは馬鹿にしたりはしてこなかった。
俺に比べてこいつは凄いよな、と素直に思う。
自分から告白したと言ってたけど、どっからその勇気が出てくるんだ。
その勇気にすこーし恩恵を受けようとして相談することくらい許してほしい。
「あー...うっしー面倒かもしれんけどいっこ思いついた」
「詳しく」
相談どころか打破する為の提案までしてもらっちゃった。
いや、貰えるもんは貰っとこうの精神なだけですし？
...ただ、貰うばっかじゃバチが当たるらしいと学んだ。
「私に構ってる暇あるなら彼女のとこ行ってきなよ」
「...はあ？」
目の前でそう言ったAに激しく後悔をした。
...俺はこの状況を打破したかったわけで悪化させたかったわけじゃないんですけどねえ...。
レトルトの彼女と俺が仲良くなって、少しでも妬いてくれねーかな、なんて思ったけど付き合ってると勘違いされたらしい。
いやいやそれが本当なら大問題だろあの子はレトルトの彼女だっつってんだろ！
弁解しようとしても完全に避けられてしまってもう打つ手無しの状態だった。
.
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユシア | 作成日時：2020年2月1日 12時
