ずっと君は一枚上手 /us ページ24
.
「ホワイトデー？」
「...えっ、うっしーまさか忘れてないよね！？」
目を泳がしながら「いやーまさか忘れてるわけないじゃないですかあ！」なんてバレッバレの嘘をついたうっしーをジト目で見ると諦めたのか謝ってきた。
例年通りバレンタインに渡したときには「お返し楽しみにしてていいから」とかドヤ顔だった癖に。
「...まあ一緒に住んでるから何の動きもなかったのは知ってたけどね。何となく予想はしてたけどね」
「ごめんって言ってんじゃーん。ほら、これやるから」
ポイっと投げられたのはキャンディだった。
一瞬お返しの意味が頭をよぎったけど絶対こいつは知らない。
でも、偶然でも渡されたのがキャンディなことに変わりはないからつい頬が緩んでしまった私はすっごく単純だ。
「あれ、なんか嬉しそうじゃん。機嫌戻してくれた？」
「...ちょっとだけだし。まだ許してないよ！」
ニヤニヤと笑みを浮かべてるこいつはもしかしたら知ってたのかもしれない。
一枚上手なところ私が負けたような気がして嫌い！
そんなことを思ってるとうっしーが徐に立ち上がって何処かへ行ってしまった。
これでキッチンからビール取ってきて渡してくるだけだったら本当に許してやんない。
でも戻ってきたうっしーの手には紙袋が握られていた。
「目瞑って」
大人しく従うと腕にひんやりとした感覚がした。
...これ、腕時計？
驚いてるとおでこにキスされて思わず目を開けた。
「いつも頑張ってくれてるお礼もこめて？」
「これ...欲しいって言ってたやつ...」
既にキャパオーバーで何がなんだか分かんない私をうっしーが優しい顔で見ていてもっと分からなくなった。
「これなら許してくれる？」
眉を下げたその顔に私が弱いのも最初からそこまで怒ってないことも知ってたくせに。
そう思っても首を縦に振った私は当分うっしーに勝てないんだと思う。
.
一般的には縛られない /ky→←不安だなんて言わないから /rt
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユシア | 作成日時：2020年2月1日 12時
