ここは覚めない夢の中 /uszw ページ49
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夕暮れの教室で、私を呼び出した男__牛沢の部活が終わるのを待っていた。
やけに真面目な顔をしていたから教室にいるね、と言ったけど明日の朝とかじゃ駄目だったのかな...?
呼び出した張本人が遅すぎてもう帰ってやろうか、何て考えていたら扉が勢いよく開いてやっと待ち人が来た。
俯いたまま何も言わないから名前を呼ぼうとしたら勢いよく顔をあげるから、私の体がびくっとした。
次の言葉に、今度は固まることになる。
「...俺、Aがずっと好きだった。...だから、付き合ってください!」
「...へっ...。ほ、本当に...?」
当たり前だろ、何て言う牛沢の顔は真っ赤で、それが夕日のせいじゃないのは分かった。
真っ直ぐな告白に胸がきゅんとしたのは今やっと牛沢を意識したからじゃなくて"ずっと"だから、答えは決まってる。
「私も、好き」
「...まじで?」
「当たり前でしょ」
お返しね、と笑うと牛沢も笑うからああ幸せだなあ何て胸が満たされていった。
めっちゃ緊張したー、と私に倒れ込むようにしてきた牛沢を抱きとめると確かに心臓の動きが速い気がした。
でも多分私も同じくらい速いんだろうな、と思っていると私の耳元でぼそっと呟いてきた。
「俺、絶対Aのこと___」
その先の言葉は何だったっけ。
ベッドの上で目を開けるとカーテンの隙間から柔らかく光が漏れていて、何故か目尻には涙が溜まっていた。
「...懐かしい夢見たなあ」
何でこんな夢を見たのか何となく検討がついていたのは、今日はあの頃以来初めて姿を見るから。
それでも、どうして夢を忘れられないのかは分からないまま。
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作者名:ユシア | 作成日時:2019年10月31日 20時