数年越しの君想い /ky ページ25
.
照れ隠しのために軽口叩くのも変わんなかったわ。これはもう治しようがないからしょうがないよな、うん。
そう心の中で言い訳をしながらまた一口飲む俺にAは衝撃の言葉を発した。
「そんなこと言っていいのかなー?」
「別に悪くなくね?」
「実はね、昨日隣の部署の先輩から告白されたの!!それでも乙女じゃないって言える?」
ドヤァと効果音がついてきそうな程得意気な顔になったAに、飲んでいたコーラを吹き出しそうになった。
すごくない!?とテンションが上がっているのが何とも腹が立つ。
...それがAの態度が原因なのかは俺も分かんねーけど。
「はっえっ嘘だろ!?」
「それが本当なんだなあ。......それで、私はどうしたと思う?」
「......OKした、とか?」
そうじゃなければいい、そう思わずにはいられなかったが震える声で口に出した。
「......残念!...正解はね、お断りしたよ。何でだと思う?これは当たるかもね」
「...良かっ......俺が当てんの?分かんねえよそんなの...」
思わず本心が出てきて必死に逸らした。
...告白を、断った理由?
少し考えたが分からずギブアップした。
えーと言いつつAは俯く。
自分から言ったくせに答え合わせには随分時間がかかって目を合わせるとバッと逸らされる。
そしてやっと決心したように蚊の鳴くような声で呟いた。
「...キヨ以外からの告白は意味がないからね」
俺だけに届いたその言葉にかっこつかねえなと呟きながらも、緩む頬は止まらない。
「...俺にとってAからの告白は一番意味があるもんだわ」
そう言うとAは顔を勢いよくあげた。真っ赤に染まったその顔がやっぱり可愛い。
固まったAにもう一押しと微笑みかけた。
「俺も好きだよ。ずっと前から」
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
156人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユシア | 作成日時:2019年10月31日 20時