数年越しの君想い /ky ページ24
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「よっ」
「よお。遅刻ですけど？」
気の抜けるような声と共に後ろから俺の肩を叩いてきたのはAだった。
高校時代に一番仲の良かった女子であり、今では飲み仲間。
あの頃からこいつを好きなことも、俺が意気地無しなとこも変わらないのがなんとも言えなかった。
主に後者。
「ごめんって。これでも仕事終わってすぐに来た...ってあれ、やっぱり」
「それはお疲れ様でーす。で、何」
腕時計と俺の顔を交互に見るAは首を傾げた。
相変わらず間抜けなその顔からは何を考えているのか分からない。
「いやー。キヨの友達からキヨは遅刻魔だってよく聞くんだけど私その姿１回も見たことないからさ」
ほら、今だって時間ぴったりじゃん？といってくるAにたまたまだろ、と返す。
...好きなやつ一人で待たせるようなことしねえよ、という言葉はコーラとともに飲み込んだ。
口に出せるような勇気なんて俺にはない。
「...っていうか、飲み会って言うわりに私達ジュースしか飲めなくない？」
「俺は一応飲めるけど」
「そうじゃなくてさー。...まあ別に楽しいからいいんだけど」
ニカッと笑う彼女への胸の高鳴りを気付かれないようにだろ？と笑い返すとタイミング良く彼女の頼んだカルピスが届き、乾杯をする。
「適当に何か頼むか。何食いたい？」
「居酒屋は唐揚げ一択」
あとはおまかせしまーす、とAは笑う。
何回も来てるから唐揚げを頼むのは分かってるけどキラキラとした目を向けてくるのが可愛くていつも聞いてしまう。
はいはい、と言いながら他にAが好きそうなものを頼んだ。
「...ってか仮にも女子なのに唐揚げってどうなの？」
「仮にもって何！れっきとした女子ですー」
「はあ？ どこがだよー」
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：ユシア | 作成日時：2019年10月31日 20時
