我慢の限界、キスをして /us ページ4
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こいつは何度言ってもデートの時に短いスカートを履いて来るのをやめてくれない癖に危機管理能力ってもんが圧倒的に足りない。
オシャレしてきてくれんのはもちろん嬉しいけど、短いスカートひらひらさせてんのは心臓に悪い。
だからって注意しても「似合ってない？」なんて悲しそうな顔されれば折れるのはいつも俺だった。
「うっしー怒ってる？眉間に皺寄ってるけど」
「……怒ってねえよ。ほら、前見ねーとこけるぞ」
こけないよー、と呑気な声でエスカレーターに乗ったAの後ろから俺も乗る。
話をする度に楽しそうに俺の方へ振り向いてくる度にスカートが揺れるのがどうしても気になった。
だから！！そういうとこだって言ってんだろ！！
最近はタイツ履くようになっただけマシだったのに気温が高くなってきたからか今日はストッキングで来やがった。
そんな薄くて防寒の役割果たせる訳ねーだろ！
マジで俺がいない時どうし……あ？
「お前……ほんっとさあ」
「ん？どうかした？」
ぷつん、と俺の中の何かが切れる音がした。
あーあ、そんなことすんなら俺もう我慢しなくてよくない？
エスカレーターをおりて、人気の少ないところまでAの腕を引っ張る。
頭にはてなを浮かべてるAを鼻で笑って、太ももの後ろの部分へ手を滑らせればびくっと身体が揺れた。
「ちょっ、何して……！……あれ、もしかして破れてる……？」
さっきのエスカレーターで、太腿の後ろの部分のストッキングが少し破れているのが見えた。少し覗いた白い肌が頭から離れない。
少し恥ずかしそうにはにかんだAに、俺の我慢はとっくに限界を迎えていた。
「破れたまま帰るのも嫌だろうし俺ん家寄ってくだろ？」
「いやまあこんなとこ目立たないし別に……」
否定する言葉すら否定するように顎をぐっと持ち上げて深いキスをすると簡単に目がとろんとなった。
もう一度確認するように「来るだろ？」と言うと頷いたAに、上がる口角を抑えもせずまた手を引いて足早に帰路についた。
もう二度と人前でミニスカート履かせてやんねえ、なんで酷い独占欲なことは知っていた。
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ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：ユシア | 作成日時：2021年2月14日 23時
