星空の夜の約束 /rt ページ22
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「...あ、もう七夕かあ」
「ほんまや。何か書いてく？」
買い物も終わってさあ帰るか、となった時、沢山の短冊がかかった笹が目についた。
いや、それはちょっと...とは思ったけどいくつか見てみると割と大人も書いてるらしい。
「...いざ書くってなると何も思いつかんな」
「自分の健康願ってよ。割と夜遅くまで起きてるんだから」
「じゃあAのこと書こ」
「何で？」
会話する気ある？
まあとりあえず放っておいて私もペンを手に取ってなるべく丁寧な文字で書き始めた。
「そういえば七夕のイメージって給食が強いなあ」
「ああ、星型のハンバーグとかゼリーとか？」
...星型のハンバーグ、かあ...。
今日買ったものの中にそれが作れるだけの材料はある。
せっかくだし作ってあげよ、と笑顔になればレトルトは不思議そうに見つめてきた。
「あっ、俺がさっき言ってたやつ！」
出来上がった夕飯を食卓に並べるとレトルトの目が一層輝いた。
そんな反応してくれるなら作りがいがある。
ニコニコと食べ進めてる時にふと、今日の短冊のことを思い出した。
「そういえばレトルトは短冊になんて書いたの？」
「...Aは？」
何だ、腹の探り合いじゃないんだからすっと言えばいいのに。
そう言ってもきっと私が言うまで言わないだろうからさっさと言ってしまうことにした。
「レトルトがずっと幸せでいてくれますようにって」
「...似たもん同士やなあ」
レトルトはハンバーグを口に一口含んで、優しく笑った。
聞かなくても何を書いたのが分かる。
「どうせなら2人で幸せになれますように、とか書いたら良かったな」
「......プロポーズ？」
「ちゃっ、ちゃうし！」
そんなに否定しなくてもいいのに。
少し苦笑すると、改まった顔をしたレトルトがお箸を机に置いた。
「もっとちゃんと言うから、それまで待ってて」
真剣な瞳の中、私だけが映るのがどうしようもなく心地よかった。
待つよ、いつまでも。
返事はとっくに、決まっているから。
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君の色をまといたい！ /us→←変化イコール愛、じゃない /ky
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：ユシア | 作成日時：2021年2月14日 23時
