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変化イコール愛、じゃない /ky ページ21

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入ってきたのはキヨで、外を見ればもうサッカー部は誰もいなかった。


キヨの顔がどこか険しい気がするのは、気のせいだろうか。



「Aと何してんの?うっしー」

「何って...お話?」



そんな茶化した返事じゃ余計にキヨの機嫌が悪くなること分からないのか!
いや、牛沢のことだから分かってやってる可能性もある。

そうなの?とでも言うように首を傾げられて頷けば、少しだけ穏やかになった気がした。



「...俺の彼女と2人きりになんのは、いくらうっしーでもやめて」

「は〜ん?嫉妬してんだ」



...しっと。

さっきの牛沢の言葉が現実味を帯びてきた。

顔に熱が集まる。
そんな私を楽しそうに見た牛沢は立ち上がって「お邪魔しましたー」と手を振った。



「...で、何話してた?」

「......き、キヨのこと...」

「俺?」



驚いたように目が見開かれる。

でもすぐに元に戻った表情は、やっぱり普段の比じゃないくらい優しくて甘い。

その顔で好きじゃない、実は友達としか思ってないだなんて言われたら本当にどうしたらいいんだ!



「そう、キヨの自慢話...してた」



半分嘘で、半分本当だった。

相談はしたはしたけど、その後は「でもめちゃくちゃ好きでね!」という話を一方的に聞かせ続けた。

だから深刻じゃない、と言われても仕方ない。



「...じゃあ許すけど、男と2人きりになんのは...ちょっとやだ」

「うん、分かった」



牛沢の言葉が確信に変わったところで、手が繋がれた。

いつもより熱いのはきっとキヨが照れてるからだ。


あんな風に勝手に不安になってた自分がバカみたいで、代わりに愛を伝えるように精一杯握りしめた。


でもやっぱりもっと言葉で欲しいから、後で促してみようか。

嫉妬したキヨが見れて、好きもくれたら、きっと私は今日世界一幸せだから。

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作者名:ユシア | 作成日時:2021年2月14日 23時

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