意図的アンブレラ /us ページ18
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昼過ぎから降り始めた雨は放課後になっても止む様子はなかった。
掃除場所行っても私以外誰もいないし、仕方なく1人で少しだけやった帰りには先生に仕事押し付けられるしこの雨だしで散々だ。
「...傘、あったっけなあ」
結構前に持ってきて、そのまま傘立てに入れっぱなしだった気もする。
教室の後ろの傘立ての中を除けばすぐに自分の傘が見つかってほっと息をついた。
少しだけいい気分で玄関に向かうと玄関に人影が見えた。
「あれ、牛沢？」
時間を潰してるのか、スマホを触ってる牛沢がいた。
パッと顔を上げて私の右手を見たと思えばどこか羨ましそうに笑いかけてくる。
「面倒で傘持ってこなかったら見事に土砂降りだわ」
「この雨じゃ走って帰るのも...流石に無理だね」
少しでも弱まらないかと待ってたらしいけど天気予報を見た限り今日は夜までこんな調子だ。
...もうすぐ部活終わる時間だし、私は友達に入れてもらえばいいよね？
「私の傘使っていいよ」
「じゃあお前はどうすんの？」
「...教室に折りたたみ傘置いてあるし...」
別に怪しいところなんてなかったはずなのに見透かしたような視線を向けられる。
思わず目を逸らすと牛沢は意地悪な笑みを浮かべた。
「コレもあるのに？随分準備がいいな」
うﾞっと言葉に詰まる。
でも牛沢が濡れて帰って風邪ひいたら、申し訳ないじゃん。
...それは建前で、ただ学校休まれたら私が寂しいだけ。
そんな身勝手なこと言えないけど。
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ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：ユシア | 作成日時：2021年2月14日 23時
