気にかける理由なんて /ky ページ15
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ほとんどグループが出来上がってるから居心地の悪さがすごい。
1人席に座っている私を見かねてか、友達と話してたにも関わらずキヨがこっちに来てくれた。
「ほらそんな顔すんな、飴食う？」
「不安に押し潰されそう...食べる」
イチゴ味の飴を貰って口に入れると甘酸っぱい味がした。
やっぱ気遣いが出来すぎる。
モテるのも納得だわ、と思ったけど私みたいに勘違いする女子が出てくること分かってるんだろうか？
「今週は飯一緒に食ってやるから。来週からは相手見つけろよ」
「...普通にありがたいけど今日お弁当ないし木曜だから実質明日だけでは？」
「あれ、Aそんなに俺と飯食いたいの？」
ニヤニヤ、と効果音が付いてるであろう顔で笑ってくる。
お昼は一緒に食べたいと思って何が悪い！？
でもそんなこと言える訳ないから必死に否定した。
必死過ぎて逆に怪しかったかもしれない。
「......真面目だね」
「ん、何が？」
次の日、本当に一緒にお昼を食べてくれるらしく屋上付近の階段に来た。
流石に主語がなかったかもしれないと補足するように「えっと」と向き直った。
「だって私の友達に言われたからってわざわざ気にかけてくれるじゃん」
「...あのさ」
空気がピリッとした気がする。
何かまずいこと言った？
パニックになる私とは反対にキヨは眉を下げてへら、と笑った。
「誰かに頼まれただけじゃわざわざこんなことしねえよ」
「......へ？｣
自分でも間抜けな声が出たのが分かる。
だって、そんなの、まるで
「俺は好きな奴がほっとけないの」
夢でも妄想でもない、はっきりとキヨの口から出た言葉に心臓が痛いほど鳴る。
「返事は？」なんて分かりきったように聞いてくるキヨに震えた声で「私も」と呟いた。
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ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：ユシア | 作成日時：2021年2月14日 23時
