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あの後何度ゲームを開き直しても隠しステージの画面はどこにも出てこなかった。
安心といえば安心だけどどこか寂しい気もした。
「まーたこのゲームしてんの?これクリアしたんだろ」
「...うん。でももう開かないよ。そろそろ前に進まなくちゃね」
「ちょっと珍しい夢を見た、とでも思ったらええやん。もう普通に日常してるんやし」
そうだね、と笑った視線の先にはあの3枚のメダルがあった。
お土産感覚でくれたのか、勝者へのメダル的なものなのかは分からないけどもう考えないことにした。
楽しかった思い出だけ笑いあえればいい。
「まああのゲームをクリアしたのは私なんだから勝ったのは当然だよね!!」
「ギリッギリだったくせに!!」
「主人公補正かかってギリって恥ずかしいなAちゃん」
胸を張ってドヤ顔をしたけど2人は冷やかしてきた。
今日だけは少し楽しいから許してあげる。
その方がハラハラしたでしょ、と言い訳をしながら2人の背中を叩いた。
「これから"あの夢"に負けないくらい楽しい思いが出来たらいいね」
「...はっなんだそれ。俺達がいればいつだって楽しいだろー?」
「キヨ君腹立つけどええ事言うやん」
頼もしい2人に小さくありがとね、と呟いてゲームの電源を落とした。
GAME CLEAR
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名:ユシア | 作成日時:2019年9月24日 22時