あの配信してないSEEDs一期生、どうなったの？【2434】

本社にて ページ4

(夢主さんは女、活動をする上で中性という設定です)

『相変わらずデカイな〜…』


私は久しぶりに、にじさんじ本社へと来ていた。

約3年振りだが、あまり変わってないんだなあ。
私は3年前、SEEDs一期生 篝 Aとしてデビューをしたのだが…

初配信の翌日、暴走した車に轢かれて病院に搬送された。

あの時は本当に死んだかと思った。
でも人間って強いんだよなあ、生きてるもん。

2週間程目が覚めず、全治1年程の大怪我を負った。
それからは約1年間入院して怪我を治し、その後は長いリハビリに励んだ。

そしてやっとの思いで退院をし、とりあえず引っ越したりとバタバタしていると、3年という間が空いてしまった。

因みにこの事はえにからにちゃんと伝わっており、無事退院して配信ができる環境が整った事も報告した。

それで打ち合わせをするから、と今日を指定されてたのだが…マネージャーに本社には入らず、近くで待っていてくれと言われた。


『マネージャー、どこかな〜、てかなんで入ったらダメなの？』


疑問に思っていると、いきなり体が引っ張られ、そのまま車に引き込まれた。
誘拐か！？
と思ったがどうやら違ったようだ。


「篝さん！僕、変装して来いって言いましたよね！！」


『え、そうでしたっけ？笑』


車に居たのはマネージャーだった。どうやら変装をして来いと言ったのに、ラフな格好で来た私に怒っている様子だった。


『でも、なんで変装する必要があったんですか〜』


マネージャーに聞くと、マネージャーは窓の外を指差した。


「あれ、誰かわかります？」


私は指された方をよく見る。


『…どれどれ。んー……あ、あれ勝くんじゃん！会いに行ってこよ！』


「ちょっと待てーい！！！！！」


勝くんを見つけて早速ドアを開けようとした私を、マネージャーは制止した。
冗談だったんだけどな〜、もう！


「いいですか、篝さん。今日はSEEDs3周年記念の打ち合わせにSEEDsの皆さんが本社にいらっしゃってるんです。つまり、あなたがすべき事は一つでしょ！」

マネージャーは車内だというのに、耳打ちしてくる。


『ズバリ、サプラーイズだな？』


「正解です！なので、篝さんにはひとまず皆さんに見つからないように本社に入って頂く必要があったんですよ！それなのにそんな格好で立ってるから…。」


マネージャーはブツブツ言いながらドアを開け、「ついてきてください」と言った。私はそれに続く。
なんだか、面白い事になったぞ？

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