はーち。 ページ9
.
▽ 主side ▽
私は彼から解いたロープを1つに纏める。
その間にサスケは、身体の塵を払いながら立ち上がっていた。
ｻｽｹ｢お前、確か同じ班の。｣
｢あ、そうそう。
猿飛 A。
宜しくね。｣
私は彼の言葉にそう言うと、ロープを持ったまま立ち上がって彼に手を差し出す。
そんな私の手に、サスケは少し戸惑いながらも手を重ねてくれた。
ｻｽｹ｢あぁ。
俺は、うちは サスケ。｣
彼はそう言うと、早々に私から手を放した。なんだかんだ言って、さっきのナルトって子に苛立ってるみたいだ。
顔に出やすいとことか…兄そっくりだ。
ｻｽｹ｢俺はナルトを探す。
Aは、どうする。｣
｢んー、私も彼に会いたいけど。
一緒に行っていいの？｣
ｻｽｹ｢当たり前だ。
じゃあ、さっさと行くぞ。｣
サスケはそう言うと、私に背を向けて廊下の方を向き直った。冷たそうな人だと思っていたけど、イタチに似て、大分優しい子なんだな。
私は自分の忍具入れにロープを仕舞い、サスケの後をついて行くことにした。
｢ところでさ、サスケって。
お兄ちゃんとか居る？｣
ｻｽｹ｢……。｣
何か話題をと、私がそう問えば、彼は黙ったまま立ち止まってしまった。
あら、やっぱり聞いちゃダメだったかな。
ｻｽｹ｢…兄は、居た。
だが今は、あんな奴、兄なんて思っていない。
…今はただ、ソイツを殺したい。｣
｢……。｣
殺したい、かぁ。
サスケの声は、本当に恨みの篭っているモノだった。冗談などではなく、本気で、イタチに復讐しようと考えている。
｢…そっか。
ごめんね、軽い気持ちで聞いちゃって。
うちは一族の事は、歴史書読んで知ってたからさ。｣
ｻｽｹ｢…いや。｣
本当は歴史書じゃなくて、イタチ本人から聞いた話なんだけど。でも、イタチって、その割には優しくて憎めないんだよね。
今は、そんな彼と敵になったも同然なんだけど。
ｻｽｹ｢…でも。
こんな事話したのは、お前が初めてだ。｣
｢そうなの？｣
ｻｽｹ｢あぁ。
お前は、なんだか不思議な奴だ。｣
サスケはそう言うと少しだけ私の方を振り向き、優しく微笑んでくれた。サスケの横髪が風に吹かれ、少し揺れている。
その一瞬が、私に彼の揺れる長い髪を思い出させた。
『君はなんだか、不思議な子だな。』
あれは確か、彼が私に過去を話してくれた時に言った言葉。
馬鹿だな、今更こんな事思い出しても。
もう、戻れないっていうのに。
(続く)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カカシ先生尊い - とても面白いです！ 続き楽しみにしてます！頑張ってください (2022年11月17日 20時) (
レス) @page25 id: 18092cdeea (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 面白いです！！応援しています！ (2022年4月24日 22時) (レス) @page25 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
晏昊 - 久しぶりにNARUTOの作品をあさってたのですが…スッゴク好きです！続きがめちゃくちゃ気になって夜しか眠れません！ 頑張ってください!! (2022年4月12日 0時) (レス) @page25 id: 92be24dccc (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - わー...！！面白いです！！！是非続きお待ちしてます！ (2020年4月3日 3時) (レス) id: 6b76715b64 (このIDを非表示/違反報告)
陽葵(プロフ) - 蘭さん» コメントありがとうございます(^^)シカマルは推しなので、ついつい贔屓目に絡ませてしまいますがお気に召して頂けてなによりです。これからもあまり更新は早い方では無いですが、この小説をよろしくお願いします(^^) (2019年10月15日 3時) (レス) id: 0cae7a153a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：陽葵 | 作成日時：2019年1月21日 16時
