（１５．６）ー ページ33
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▽ 主人公side ▽
渚「って、思ったより絡まれてるぅー!?」
そんな叫び声が背後からしたので、後ろを振り向いてみれば、ノートを持った渚が階段の上に立っていた。
私はと言うと、杉野君が殺せんせーの触手に絡まれるのをぼーっと階段に座って見ているだけ。
渚「ちょ、ちょっと。
Aさん、どうして止めないの？」
そんな私を見かねたのか、彼は慌てた表情でそう言ってきた。
まあ、そう言われてもって感じなんですが…。
「いや、殺せんせーがちょっと適正見るだけって言うからさ。」
そう私は苦笑いする。
渚は、そんな私の言葉にただただ表情を曇らせた。流石の渚も訳が分からないらしい。
殺せんせー｢ヌルフフフ。杉野君。｣
数秒杉野君の身体に触手を絡ませていた先生は、唐突に声を発した。慌てている渚の事も、あんまり気にはしてない様子だ。
殺せんせー｢昨日見せたクセのある投球フォーム。
メジャーに行った有田投手を真似ていますね。｣
彼の言葉に、宙に浮かんでいる杉野君はハッとした顔をする。
｢有田投手って、あの去年メジャーに行った選手のこと？｣
有田投手…。名前や活躍だけでなく、投球フォームは相当話題になっていた。足を大きく振りかぶり、投げるスピードをその分高めるフォーム。
でも、あの投げ方は真っ直ぐの球に勢いを与えるためのフォームだから、皆がみんなあの投げ方が良いとは思えないんだけれど。
私がそんな事を考えていれば、殺せんせーも同じ事を思っていた様で。
彼は杉野君を優しく地面に下ろすと、直球に言った。
杉野君にあのフォームは合っていないと。
その先生の言葉に、渚は言わずもがな顔をしかめる。何で先生にそんな事が分かるんだって。やっても無駄だって言いたいのかって。
うーん…そういう事じゃ、ないんだけれど。
私が考え込んでいる間に先生は今日、有田投手から貰ったサインを取り出していた。
………って、おい。
まさか御本人で骨格を確認していたとは…。
軽く私も、頭を抱えずには居られなかった。
まあでも何、だかんだ言ってそこまでしてくれた先生の言葉は、杉野君の心に届いた様で。
きちんと彼に向いていない事を伝えた後、先生は次に彼の長所を述べた。
その長所は彼の手首の柔らかさらしい。殺せんせーのその言葉を聞いた時の杉野君の顔は、とても嬉しそうで。
そんな彼の横顔を見て、私は1人、安堵のため息をついていた。
(続く)
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yuna(プロフ) - コメント失礼します！読みやすく、一気に読んでしまいました！更新されるの待ってます！ (8月15日 18時) (
レス) id: 86e0cf33e7 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！出来たら全員のキャラに愛されたいです！（恋愛的に）あと落ちは出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです！無理せずに頑張ってくださいね！ (2023年1月16日 16時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
蒼空 - 今日見たんですが、私にはこんなに上手く書けないので尊敬します！続き楽しみにしてます！無理のない程度で更新してくれると嬉しいです(◍´︶`◍) (2022年1月16日 22時) (レス) @page34 id: 2eee57ed36 (このIDを非表示/違反報告)
シロチャロ(プロフ) - 作者さん生きてますかー？？？！！！生きてたらまた小説更新しでぐださい゛（泣）お願いしますぅぅ！！！ (2021年1月16日 11時) (レス) id: 56d67e8690 (このIDを非表示/違反報告)
lee2525(プロフ) - 続きが見たいです！この作品も更新してもらえれば嬉しいです！ (2020年5月18日 15時) (レス) id: 56ee837b6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽葵 | 作成日時：2018年11月24日 14時
