私の彼氏さん (短編集1)

★ケーキプレイ(柿原徹也) ページ8

私の好きな食べ物、それは


『ケーキだ……！』

「スタッフさんから頂いたんだよね〜」


目の前には宝石のように輝く５ピースのケーキ
美味しそう……




『ねぇ、これ食べた「駄目だよ」……え、？』






急に静かになるリビング、
いつもだったら優しくいいよ、と答えてくれるはずの
私の彼氏はどこへ行ったのだろう？



『ねぇ、、、……徹也？』


「なに？」


『怒ってる？』


「怒ってねーよ？」


……おかしい。
怒ってないなら何故食べてはダメなのか……。





「A、」

『えｯ……ちょ……、徹也、、、？』









私の名前を呼ぶと同時に強い力で私を押し倒す。
……本当にどうしたのか、



『ね、ねぇ、、徹也、、今日、おかしいよ、』


「大丈夫だって、ケーキ、食べたいんだよね？」


そう言われれば頷くしかない。


それを満足そうな笑みで見た徹也は、私の上に跨り何かを取り出した。









そして、何をするのかと思ったら
長細いタオルで、私の視力を奪った。







『ちょ、何するの？！』

「目隠し、これで俺がケーキ食べさせるから」

……は？
訳が分からずにいると急に普通に座る体制に戻される


そのまえに、このタオル凄い徹也の匂いがする。
今日使ったやつなのかな……。


「A、口開けて」

『え、？あ、あー。』


咄嗟に口を開けていればフォークのようなもので口に何か入ってくる。これがケーキだと理解した。


『ん……、う、美味ッ……。おいしい、』

「ん〜？ならよかった。」


目が見えていない分、味覚が上がるのかななんてどうでもいいことを考えていた。



「まだ、食べる？」

『目隠し外したら……ダメ？』



そう言えば、急に耳元で「だ 〜 め」と囁かれる
更には、耳たぶを甘噛みされて、


『やｯ……徹也、んぅ、くすぐった……、ッ……』

「視覚を取るとね、ほかの部分が敏感になるんだって〜」


「A、しってた？」



『知らないわ……、そんなの。』


なんで、そんなマメ知識みたいなの知ってるの。
どうせ誰か声優さんに吹き込まれたんでしょ。




「ふ 〜 ん 、 まぁ いいや、」

『だから何してッ……！！』



そして徹也は

耳から首へと指を つつつ、 と這わせ
鎖骨のあたりで くるくる、と回す


その繰り返しが続き、
私はくすぐったさと恥ずかしさでもう可笑しくなりそうだった





(続きます)

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