相見 ページ43
「…そうか。」
医療棟からAが連れ去られた。
そう連絡があって思う所があり訪れたのはシルヴァ邸。
疑念程度のものを感じての訪問だったが、当人の顔を見てそれは確信へと変わる。
「Aが世話になっているようだな。」
「…部屋で寝かせている。」
ふい、と逸らされた視線は気まずさからだろうか。
無断で連れ出したとあってはわからなくもないが。
「医療棟から忽然と姿を消したと連絡があってな、やはりおまえだったか。」
「落ち着いて話をする必要があった。療養だけなら場所を移しても問題ないだろう？」
鋭い視線が飛んでくるのを気に留めることなく、やれやれと軽く息を吐く。
この様子であれば恐らく軽く騒ぎになった事など意にも介さないだろう。
二度も連れ去りが起こった者がまたしても姿を消したとあれば騒ぎになるのも当たり前だが、その犯人が王族とあれば文句も言えまい。
「……腹を
「……。」
ノゼルの眉間に皺が寄る。
その反応に疑問が浮かぶ。
(端から見ていれば想い合っているはずだ、何か問題でもあったか？ノゼルが腹を括ったのならば上手くいくと思ったが…)
「Aに、騎士団を辞するように伝えた。」
「！？」
「戦線に立って危険に晒すならばその方がいいだろう。」
「それはまた…極端な話だな…。」
思わず顔が引きつってしまう。
なるほど、それならばこの反応も頷ける。
元々は当初から騎士団への在籍を前提として話を進めていたのだ。
己の恋慕と騎士団へのこだわり。
その2つで揺れる彼女、結論を委ねたノゼル。
察するにそんな所だろう。
(どこまでいっても不器用だな…)
焚き付けた結果、いい方に転んだかと思えばこれだ。
自分自身もAへの気持ちは確かにあるが、それでも一番に想うのは彼女の幸せ。
そしてそれを与えうるのが目の前の男であるというならば…。
(仕方ない、もうひと押しするか)
ノゼルは決断した。ならば彼女が承諾するのみだ。
その為には、お節介かもしれないが後押しをするのもやぶさかでない。
「彼女と話せるか？」
「…様子を見てこよう。」
騎士団関連でなく並び歩くのはいつぶりだろうか。そんな事を考えながらチラリと伺った横顔は、いつもと変わらず澄ましていた。
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夏冬 - ほんっっっっっとに面白かったです！！そして幸せな気分になれました！！！こんなにいい小説は久しぶりです！！！本当にこの作品を作ってくださってありがとうございました！！！！感謝しかないです！！！ (6月16日 21時) (
レス) @page50 id: 770d92d812 (このIDを非表示/違反報告)
雑草のかきあげ（仮垢）(プロフ) - あ''ぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ好きです！！！！！きゅんきゅんが止まりません！！！！！作者様は私をキュン死させようとしているのでしょうか！？！？！？ (2022年9月6日 7時) (レス) @page50 id: dc942b8391 (このIDを非表示/違反報告)
とも - 読み応えがあり泣き笑い、本当に面白かったです！！！ (2021年5月9日 6時) (レス) id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 一気に読ませていただきました。表現が細かいのにしつこさが無く、素人特有のわざとらしさも感じられなくてプロなんじゃないかと感じるほどの内容と読みやすさでした。続編、もしくは新作楽しみにしております。素晴らしい作品をありがとうございました！ (2020年7月8日 15時) (レス) id: b410464f01 (このIDを非表示/違反報告)
さらちゃん - 素晴らしい作品でした！1日で一気読みさせて貰いましたが最初から最後までキュンキュンさせていただきました(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2020年6月13日 13時) (レス) id: 498426d70a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年5月12日 23時
