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対峙 ページ28

「何故ここに?という顔ですね。」


その男はあの時と変わらず飄々とした態度で口を開いて話し出す。
レオとソリドはいつでも動けるように構えつつ目配せをしていたが、その真意は知らない。


「あなたがもし無事に戻ってしまったら国外に出ると告げたので暫くはそちらに調査の手が向くと思いまして。ここであれば安全かと踏んでいたのですが…。」

「ハッ、残念だったな。そんな浅知恵通じるかよ。」

「まさか今になって突き止められるとは思っていませんでしたよ。」


突き止められた…?
不思議に思い、二人に視線を投げる。

確かレオがここに来たのは通報のあった不審者の追跡と捕縛だったはず。
そしてその任務は既に終えていて、私はその後処理の手伝いに来たのだが…。


「兄様の指示でずっと追っていて、ようやく昨日に足取りが掴めた。今朝この俺自らここに来てやったんだが…こうもすぐ見つかるとはな。」


(ノゼルさんの指示?)


私が捕まった事件の犯人を追っているのは知っていたがそれは今、国外への調査をほぼ本部の解析班や追跡班によって担当されている筈だ。


(独自で調査を進めていたって事…?)


こんな状況なのに、その話を知って胸が甘く痛む。
つまりはレオの任務とソリドがここに居る理由は別物で、居合わせたが故に話をしていたのだろう。

そして、本来居るはずのない私がここに居る事でソリドはレオに私を早く帰せとでも話していたのだろう。


(辻褄が、合った)


「見つかってしまった以上はまた雲隠れをするか本当に他国へ亡命するか悩ましい所でしたが、偶然にもここにあなたが来たので…もう一度捕らわれの身になって頂こうかと思ったんですが。」

「させん!!!」


レオの両手から炎が相手目掛けて空を走る。
しかしそれは敵の風によって上空へと逸らされてしまい、歯噛みする。
そう、相手は風属性。
強さの程は分からないが実に戦いにくい属性だ。


「まさか王族がこんな辺鄙な場所に来ているなんて思いもしませんでしたよ。一体あなたにはどれほどの価値があるのでしょうね?」

「え!?」


魔法を発動した気配は無かった。
ぐっと腰を押され、相手の方へ踏み出しそうになる足を踏みとどまって後ろを見れば、腰に纏わりついていたのは先程散らした木の葉。


(やいば)にしてるだけじゃなかったの…!?」

「おや、そんな事は一言も言ってませんが。」

「燃やしてくれるわ‼A、動くなよ!」


レオの炎がその葉を燃やした。

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夏冬 - ほんっっっっっとに面白かったです!!そして幸せな気分になれました!!!こんなにいい小説は久しぶりです!!!本当にこの作品を作ってくださってありがとうございました!!!!感謝しかないです!!! (6月16日 21時) (レス) @page50 id: 770d92d812 (このIDを非表示/違反報告)
雑草のかきあげ(仮垢)(プロフ) - あ''ぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ好きです!!!!!きゅんきゅんが止まりません!!!!!作者様は私をキュン死させようとしているのでしょうか!?!?!? (2022年9月6日 7時) (レス) @page50 id: dc942b8391 (このIDを非表示/違反報告)
とも - 読み応えがあり泣き笑い、本当に面白かったです!!! (2021年5月9日 6時) (レス) id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 一気に読ませていただきました。表現が細かいのにしつこさが無く、素人特有のわざとらしさも感じられなくてプロなんじゃないかと感じるほどの内容と読みやすさでした。続編、もしくは新作楽しみにしております。素晴らしい作品をありがとうございました! (2020年7月8日 15時) (レス) id: b410464f01 (このIDを非表示/違反報告)
さらちゃん - 素晴らしい作品でした!1日で一気読みさせて貰いましたが最初から最後までキュンキュンさせていただきました(((o(*゚▽゚*)o))) (2020年6月13日 13時) (レス) id: 498426d70a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋毬 | 作成日時:2019年5月12日 23時

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