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元々、Aは弱い訳ではない。
ただ攻撃手段に乏しいだけだ。
「ほう、これを耐えるか。」
「うぅ…ギリギリ精一杯です…。」
大抵の攻撃は防ぎ切る防御魔法は少人数用多人数用とあり、強度も様々。
回復魔法に関しても誰とも比べられない程の精密さと速さを誇る。
故に防衛となれば中々看破は難しいので大抵の場合はレオや他の攻撃魔法の得意な団員と組ませる事が多いのだ。
「ふむ…根っからのサポート体質だな。守りたい思いが攻撃ではなく防御の方に出たのか。」
肩で息をするAに対して余裕綽々な姉上。
そして側で転がっているのは突然縛り上げられ訳も分からぬまま連れて来られて転がっているレオ。
強い心理負荷でも魔導書が成長する事があるのは周知の事実だが、まさかこんなやり方に出ようとは…。
「残念だが今の所、適性は絶望的だな。」
「え。」
「元より回復魔法と攻撃魔法の両方を扱える者は少ない。それにその防衛魔法があれば前回のような事件でもない限りは問題ないだろう。」
おおよそ自分と同じ見立てだ。
任務をこなすに当たっては全く問題無いどころか汎用性も高く柔軟に対応できる。
それでも貪欲に上を目指す彼女には護身術程度の体の使い方を指南した。
「鍛えるなら、その防御魔法を極めれば何かしらにはなると思うが。」
「ご、ご指導よろしくお願いします!」
「姉上…俺はどうすれば…。」
「おまえはもういらん。勝手に戻れ。」
山ごもりに付き合わせたり無茶をするのではないかと見守っていたが、どうやらそんな事はなさそうだ。
ずっと見ている訳にもいかない。
レオがAによって解放されたのを見届けて、部屋に戻ろうと踵を返した。
姉上が彼女に無茶をさせぬように願いながら。
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夏冬 - ほんっっっっっとに面白かったです!!そして幸せな気分になれました!!!こんなにいい小説は久しぶりです!!!本当にこの作品を作ってくださってありがとうございました!!!!感謝しかないです!!! (6月16日 21時) (レス) @page50 id: 770d92d812 (このIDを非表示/違反報告)
雑草のかきあげ(仮垢)(プロフ) - あ''ぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ好きです!!!!!きゅんきゅんが止まりません!!!!!作者様は私をキュン死させようとしているのでしょうか!?!?!? (2022年9月6日 7時) (レス) @page50 id: dc942b8391 (このIDを非表示/違反報告)
とも - 読み応えがあり泣き笑い、本当に面白かったです!!! (2021年5月9日 6時) (レス) id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 一気に読ませていただきました。表現が細かいのにしつこさが無く、素人特有のわざとらしさも感じられなくてプロなんじゃないかと感じるほどの内容と読みやすさでした。続編、もしくは新作楽しみにしております。素晴らしい作品をありがとうございました! (2020年7月8日 15時) (レス) id: b410464f01 (このIDを非表示/違反報告)
さらちゃん - 素晴らしい作品でした!1日で一気読みさせて貰いましたが最初から最後までキュンキュンさせていただきました(((o(*゚▽゚*)o))) (2020年6月13日 13時) (レス) id: 498426d70a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋毬 | 作成日時:2019年5月12日 23時