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手紙を送り終え、椅子に腰掛けた。
酷い疲労感で目眩がする。
(これで終わり、か)
つきん、と痛む胸を意識しないようにする。
思い起こすのは彼女の笑顔、泣き顔、恥じらう顔。
ころころとよく変わる表情は、出会った頃の印象のまま変わりはしなかった。
懐かしむように思い返せば、鮮明に浮かぶ。
ままならぬ想いに戸惑う時もあった。
突然の衝動に甘く、苦しい思いをした事もあった。
自分の中の知らなかった感情が、これほどまでに色鮮やかな物だと知り驚いた。
彼女が
Aの事が
愛おしくて、苦しい
この痛みさえ、自分のエゴなのだと自戒する。
それでもこの決断は撤回しない。
愛おしい。
だからこそ、傍には置けない。
(Aが王族となれば今以上に危険が増える)
ただでさえ、それを理由に狙われる事がある。
だからこそ幼少のうちから厳しく育てられ、自らを守るだけの力を付ける。
元の素養もあれど常に危険が付きまとっていれば自然と強くなるのは当然の事。
だが彼女は違う。
今回のように血族として狙われでもすれば、次こそどうなるかは分からないのだ。
忌々しい事にそういう奴らはこちらに手が出せぬと分かると弱い者に矛先を変える。
(A)
彼女が死ぬかもしれないとなった時には心が凍りついた様に冷え込んだ。
息をせぬ彼女が横たわっていた時には得もしれぬ感情が襲った。
彼女を、永遠に失いたくはない。
どんなに不安だっただろうか、魔法も使えず身も動かせず声も出せずに連れられるのは。
どんなに怖かっただろうか、その身が利用されるのを阻止するために自ら深い闇へ身を投げるのは。
無事に帰ったAを、二度とそのような目に合わせる訳にはいかない。
(私が、手放せば…)
起こり得る全ての危険から彼女を遠ざけられる。
胸を焦がすような熱情も、その為ならば封じよう。
何より大切で愛おしいAが生きて笑っていればそれ以上は求めない。
自分が守ってやれない以上、これより他は無い。
その為ならばたとえ彼女が悲しもうとも、冷たく突き放すことさえ平然とやってみせよう。
(傷付けたい訳ではない、が…)
この知らせを受けて少しでも惜しみ、悲しんでくれたらそれだけで救われる。
何よりも大切だと思えた彼女の事を想う。
願わくば、その身に生涯の平穏を。
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夏冬 - ほんっっっっっとに面白かったです！！そして幸せな気分になれました！！！こんなにいい小説は久しぶりです！！！本当にこの作品を作ってくださってありがとうございました！！！！感謝しかないです！！！ (6月16日 21時) (
レス) @page50 id: 770d92d812 (このIDを非表示/違反報告)
雑草のかきあげ（仮垢）(プロフ) - あ''ぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ好きです！！！！！きゅんきゅんが止まりません！！！！！作者様は私をキュン死させようとしているのでしょうか！？！？！？ (2022年9月6日 7時) (レス) @page50 id: dc942b8391 (このIDを非表示/違反報告)
とも - 読み応えがあり泣き笑い、本当に面白かったです！！！ (2021年5月9日 6時) (レス) id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 一気に読ませていただきました。表現が細かいのにしつこさが無く、素人特有のわざとらしさも感じられなくてプロなんじゃないかと感じるほどの内容と読みやすさでした。続編、もしくは新作楽しみにしております。素晴らしい作品をありがとうございました！ (2020年7月8日 15時) (レス) id: b410464f01 (このIDを非表示/違反報告)
さらちゃん - 素晴らしい作品でした！1日で一気読みさせて貰いましたが最初から最後までキュンキュンさせていただきました(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2020年6月13日 13時) (レス) id: 498426d70a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年5月12日 23時
