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「…というのが今朝の騒動の発端です。」
結局あれから収集がつかなくなり、団長まで出てきてしまってようやく騒動が収まった。
私はというと、もみくちゃにされたので朝だというのに既にボロボロである。
「まさかあそこまでの騒ぎになるとはな…。」
「噂に尾ひれはひれで…。私、相当な悪女みたいですよ。」
「私も耳にした。大方、夜会で問題になった者達や良く思わん連中の仕業だろうな。気にすることは無い。」
「はい。」
「真逆の噂もあることだしな…。」
ぽそり、と落とされたその言葉は私には届かなかった。
その流れで今日の任務の説明を受けて拠点を出る。
相変わらず空は青く、雲は気持ちよさそうに泳いでいた。
今日の任務は数人での要人護衛。
とはいっても貴重な品を親戚の元へ運ぶので念の為、といった内容である。
「では、参りましょうか。」
行き先は平界とはいえ以前に治安の悪い所もあるのだと実感していた事もあり気を抜かない。
敵は居ないかもしれないが、物盗りは大いに有り得る。
「あら？あなた…昨日夜会にいらっしゃった方？」
「…はい。」
ご夫婦の奥様が道中私に気付く。
来客の全てを覚えている訳ではないが、恐らく騒動になった方々とは違うはずだと記憶を辿る。
もしそうだったら地獄の半日になる所だった。
「まぁまぁ！昨日は直接お話出来なかったから嬉しいわ！ずっと人に埋もれていらっしゃったでしょう？何だか気が引けちゃって…。ご婚約、お祝い申し上げますわ。」
「お祝いの言葉、ありがとうございます。」
「かしこまらなくっていいのよ、ここは社交場でも何でも無いんですもの。退屈な道中、お喋りな私の話し相手になってちょうだい。」
この明るいご婦人は、どうやら夜会の時に遠慮してくださっていたようで。
…あまりの人だかりに気が引けただけかもしれないが。
無口なご主人と朗らかな奥様。
仕事でもあるしな、とそれを了承すれば夜会で出た食事や他の貴族の事など色々な話が飛び出す。
時々はご主人にも話を振りながら楽しそうに話す中で、遂に奥様はその話題に触れる。
「それにしても、あのノゼル様がねぇ。他の方もそうでしょうけど私もとても驚きましたのよ。いつもどの様な場でも表情を崩さない方ですのに。」
ノゼルさんが激怒した件かと思い、怖い方では無いのだと誤解を解く言葉を探す。
しかし次にきた婦人の言葉は予想だにしないものだった。
「あんなに優しいお顔もされるんですね。」
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緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
