噂と真相 ページ46
早朝。
前回はノゼルさん達を見送れなかったので今回こそはと意気込んで大分早く起床し、戻る準備を整えて待ち構える。
少しして現れたノゼルさん御一行に挨拶すれば、少し驚かれたが同行しても良さそうだったので着いて歩く。
「…何だか辺りがざわめき立っているような…？」
「まぁ、そうだろうな。」
指を差されまではしないものの、こちらを見ながらひそひそザワザワ。
ソリドは当然といった顔でそれを肯定する。
「今の王貴界で間違いなく注目されているのはあなたよ。数日は少し周りが騒がしいかもしれないわね。」
「…という事はまさか。」
ノゼルさんとの婚約の話が一晩で王貴界中に広まったと。
多少は覚悟もあったがまさか一緒に歩いているだけでここまでの反応があるとは…。
「…何か不都合があれば知らせろ。」
それぞれの団へ向かう別れ道、ノゼルさんにそう言われた。
つまり、そういう事だ。
夜会での時のように危害が及ぶなら言えと。
「ありがとうございます。」
でもね、ノゼルさん。
もしそんな事があっても私は多分言わないぞ。
屈するのも告げ口するのも嫌だもの。
3人の後ろ姿を見送ってから、自分の頬を両手で挟むように叩く。
気合いを入れて顔を上げる。
視界に映る空は青く、ちらほら浮かぶ雲は優雅に旅をしていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おはようございまー…げ。」
拠点に入って元気に挨拶をすれば一瞬の沈黙の後に襲い来る人たち。
まるで赤い波のようなそれに、気付けば私は飲み込まれている。
「銀翼の方と婚約したって本当！？」
「あちらに移るのか！？」
「いじめられてない？」
「てっきりフエゴレオン団長の事が好きなのかと思ってたのに！」
大体予想してた反応だったが、最後なんか変なの聞こえたぞ誰だ。
普段よく一緒に任務に行く面子からの心配の声と、それに便乗して色々聞き出そうとする人、興味本位の野次馬など目的は様々だが…。
王族との婚約というのはまさかここまで人を動かすものだとは。
「銀翼のノゼル団長からどうしてもと乞われた挙句、それをいい事にワガママ放題して色々貢がせて、それに苦言を呈した人たちの事はあちらに頼んで黙らせてるって話もあるわよ？」
少し離れた所からそんな声が聞こえた。
何人かはそれを聞いたといい、私を責める。
また何人かはそんなはずはないと私を庇う。
既に面倒くさすぎて逃げたくなった。
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緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
