報知 ページ5
「…困った。」
部屋に戻った私は頭を抱えていた。
婚約の件を受けた事に後悔はしていない。
していない、が…。
「なんて言おう。」
あれだけ結婚したくないだの何だの言っておいてこの結果。
報告しづらい事この上ない。
まぁ確かにここに残ってもいいというのは朗報だが。
「あー…。」
悩んでいた所で解決する問題でもない。
ここは勢いと思い切りだ。
そう判断してその足で執務室へと向かう。
「団長、いらっしゃいますか？」
ノックをして問えば中から返事がした。
失礼します、と入ればそこには報告中のレオもいて。
「帰ったか。どうだった、上手くいったか？」
その問いに、この場で伝えていいものか一瞬悩む。
だがどちらにせよレオにも自分の口から言っておいた方がいいだろうと判断して、告げた。
「私がこのままここに残る事はお許し頂けました。」
「おお、それはよかった！また俺の鍛錬にも付き合って貰えるな！」
「そうか、いやにあっさりといったな。」
団長、鋭い。
少し考えるような仕草で首を傾げる団長と、目をキラキラさせて喜ぶレオ。
呼吸を整えて気持ちを落ち着かせ、それに続く言葉を発する。
「それと、ノゼルさんと婚約する事になりました。」
ーーピシッ
そんな音が、聞こえた気がした。
そう感じるほどその場が固まる。
いや、凍った…？
「な…、何故そうなるのだっっ!!!」
先に動き出したのはレオだった。
すごい勢いで肩を並べる掴まれ、揺さぶられる。
「あれほど嫌がっていたではないか！もしや家柄や権力を盾に無理強いされたのか！？」
「ち、違う違う！ちゃんと考えて…！」
「落ち着けレオ、Aの話を聞こう。」
団長がやんわりと割って入ってくれ、いつかの時のように席に掛ける。
レオは物言いたげな顔で私を凝視し、団長もじっと視線を投げてくる。
団に残れるようになった経緯、婚約に対する私の考え、ノゼルさんの言葉。
今日あったことを仔細漏らさず言葉にする。
「これだけの事を考え、してくれる事に対して私の不安とわがままは微々たるものだと思ったのと、その気持ちに応えたいと思って決めました。」
「…なるほどな。」
「あのノゼル殿が…？」
得心いったような団長に対し、驚くレオ。
その気持ち、すごくわかるよレオ。
私も夢じゃないかと思うくらい驚いたもの。
「これから細かい事でご迷惑をお掛けするかもしれませんが、よろしくお願いします。」
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緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
