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「ごめんなさい、足元がふらついてしまって。」
「…。」
転けそうになった私を支える体制のまま、ノゼルさんは機嫌悪そうに見下ろしてくる。
…そりゃ、そうだ。
この場で転けてしまえばうっかりノゼルさんの顔に泥を塗る事になる。
「…本当に、ごめんなさい。」
居たたまれずに俯く。
お怒りはごもっとも。
弁明の余地もない。
かといって彼女達を言い訳にしたくもない。
クスッと、後ろで笑う声が聞こえた。
「おい。」
言われて顔を上げれば、ノゼルさんはこちらではなくその先を見ている。
振り返ればその視線の先には、さっきの彼女達。
「外にばかり目を向けていて気付かなかったようだが、随分と好き勝手言ってくれたな。」
その眼光は鋭く、見る者を射竦める。
…聞いていたのか。私に向けられた言葉を。
「Aを貶めるという事は見初めた私への批判と同義だ。それを分かった上での発言だな？」
「い、いえ…！その様な意図はなく！もっ申し訳ございませんでした‼ 」
その迫力に青ざめ、ガクガクと震えながら頭を下げる彼女達。
怒りのせいか、ノゼルさんからは冷たい魔力が溢れて会場中の視線が集まる。
「その顔、今後一切私の前に出すな。」
「そんなっ…どうかお許しを！」
「ノゼル様！それはあんまりの仕打ち！」
許しを乞うのは彼女達ではなくその両親であろう年配の方々。
この世代にとっては王族との交流がステータスとなるのだろう。
加えて娘達の恰好の相手探しの場なのだろう。
「その辺にしておけノゼル。」
フエゴレオン団長がノゼルさんに声を掛ける。
この場を収められるのは同じ王族長子の団長だけだ。
私は期待を込めて団長に視線を送る、が。
…何故だろう、団長も怒ってませんか…。
「この場は怒りを収めておけ。幸いAも無事だったんだ。」
そうです、助けて貰ったので何とか無事です。
そしてそのままの体制なんです。
この状況で言うのも何だが、抱きとめられている上に大注目を浴びているのでとても恥ずかしい。
必死でノゼルさんに視線を送っていると、それに気付いて目を合わしてくれる。
「私は、大丈夫です。」
それだけ伝えると解放して貰えて、その魔力も収まる。
ホッと胸を撫で下ろす。
「だが、足を掛けるのはいかんな。しばらくは反省して顔を出さん事だ。」
見てたんですね団長、そしてやっぱり怒ってたんですね。
王族を怒らせると怖いという事を身を持って知ったのだった。
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緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
