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「ふー。」
準備してもらったお風呂でひと息吐く。
しみるのは嫌だったので入浴前に傷は一通り治した。
「広いお風呂…。」
天井は高く、浴槽は広い。
それなのに漂う空気はちゃんと暖かいので湯から上がっても寒くはない。
体と髪を洗いつつ、浴室を見回していると。
「長湯するのね、湯あたりで倒れているのかと思ったわ。」
「だ、大丈夫です！広さに圧倒されていました…！」
何故かネブラ様が入ってこられた。
わたわたと一人慌てていると、またしても笑われてしまう。
「あら、足のラインは悪くないわね。」
「えっ！？いやネブラ様に比べたら全然！全然っ!!」
「そんなに必死に否定しなくても。」
ふーん、と品定めされるような視線に居心地が悪くなる。
その間頭にあったのは敵認定されたらどうしようという思い。
少ししてその視線が外れ、何事もなかったのように時が流れ始めた。
…セーフ？
とりあえず泡を流して湯に入る。
何かで香りを付けているのだろう、とても良い香りがする。
「ところで何故あなたは私を様付けで呼ぶのかしら。」
「……はい…？」
「ソリドは呼び捨て、お兄様の事もさん付けなのに私が様付けで呼ばれるのは釈然としないわ。」
「おっしゃりたい事はわかりますが…。」
ジッとこちらを見るネブラ様。
そこに含まれる威圧感。
「このまま話が上手く進んで、お兄様と結婚という事になればあなたも王族で、私の義姉になるのよ。今のうちに慣れておいた方がいいと思うけど？」
ごもっとも。
むしろ危惧していたのはネブラ様が気を悪くするのではという一点だ。
ただ、一人っ子の私はネブラ様から溢れ出るお姉様感に義理の妹になるかもしれないとはいえ呼び捨てはとても出来そうにない。
「…ネ、ネブラ…さん…。」
「…まぁ、それでいいわ。私もAさんと呼ばせてもらうことにするわね。」
「え！」
「少し悩んでいたのよね。でも決めたわ。」
決められました。
恐れ多すぎてお湯に溶けそう。
「女同士でこうして話すのも、悪くないものね。」
「あれ、もう一人妹さんいらっしゃいませんでしたっけ。」
「あの子とは…そうね。この家に入るならいずれ知ると思うけれどあまり関わらない方がいいわ。王族の癖に出来損ないで家から追放されているようなモノなのよ。」
あ、これ以上深掘りしちゃ駄目な話題だ。
瞬時に悟ってそれ以上は触れなかった。
ネブラさん、根は優しいっぽいんだけどな。
王族は色々、あるんだろう。
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緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
