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「もうひとつ聞くぞ、[色々]とは何だ？」
先日の見舞いの件ならばそう言うだろうと思い、そこに含まれる内容を問う。
礼、と言うからにはAにとってプラスになるような事なのだろう。
「受けたものを知らねば礼とはいえ返す規模が掴めんからな。教えてくれるか？」
「…例の食事の日に来ていく服を、偶然居合わせたノゼルさんに見立ててもらって…結果的に小物と一式を頂いてしまいました。その上その日に昼食をご一緒させて頂きました。」
その言葉を聞いたフエゴレオンは一瞬言葉を失った。
あのノゼルが？選んだ上に買い与えたと？
付け加えるようにAが口にした店の名は、それこそ名店とも呼ばれるような店である。
気まぐれにしても、そんな事があるのか。
(あぁ、だが…そうだな……)
あれだけ避け続けていた見合いの場を承諾したり自ら店まで出向いているところを見ると、積極的にという訳ではなかったかも知れないがある程度はその時から前向きに考えていたのだろう。
昔から彼を知るフエゴレオンとしては、喜ばしいようなそうでないような感覚にとらわれる。
しかも自分の部下であり、少なからず想っている相手。
非常に複雑である。
そしてそんな2人の思いに全く気付いていなさそうなA本人。
「高価な物を頂いた上、お見舞いというお気遣いまで…。本当にどうしていいやら。」
困り果てたといった顔のA。
それはそうだろう。
本人からすれば…いや、ノゼルを知るものにとっても青天の霹靂。
よもやこんな事が起ころうとは誰か思っただろうか。
「それは…確かに悩ましい問題だな。」
物もそうだが、気持ちに対してのお返しとなると厄介なものだ。
だがAはひとつ見落としている。
「必ずしも、物である必要はないと思うぞ。」
「？」
「例えば私なら、贈ったものを気に入って身につけてくれれば嬉しいと思う。気にしていた相手の元気な姿を見れば安心する。…物ではなく行動で感謝を伝えることもできるのではないか？」
「行動…。」
フエゴレオンのアドバイスを小さく復唱し考え込むA。
数分そうしていたが、何か思い当たったようで明るい表情になり顔を上げた。
「何となくですが、まとまりました！ありがとうございます！」
(これは…敵に塩を送ってしまったか？)
しかし自分を頼ってくれた事が嬉しく、その悩みの相手である旧知のライバルに思いを馳せる。
2人の先行きを複雑な気持ちで考えながら。
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緋毬(プロフ) - ロロクスさん» ありがとうございます！今の所コンスタントに更新できてるので今後も続けていきますね(*`･ω･)ゞ (2019年4月12日 21時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ロロクス - とても面白いです！次の展開が気になります！更新頑張って下さい！！ (2019年4月12日 19時) (レス) id: 975f0eb9b3 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - メリアさん» ようやく自覚する所までこぎつけました…！これから…どうしましょうね！（笑）流れに任せます！！ (2019年4月11日 20時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - ノ、ノゼルが恋....！初恋でしょうか？これからの展開が楽しみです！ (2019年4月11日 20時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - メリアさん» 感想ありがとうございます！励みになります♪ ノゼルさんはきっと照れると目を合わせてくれなくなります（笑） (2019年4月10日 15時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月5日 7時
