お礼 ページ9
私は、悩んでいた。
「ノゼルさんの好きなものって…何？」
衣装一式と、お見舞いのお礼。
生半可な物を渡してしまったらその場で貫かれそうだ。
そんな事になったら死ぬ。私の心が。
それに出来ることならやっぱり喜んで貰える物がいい。
悩んでいたが答えが出なかったので、一番ノゼルさんの事を知ってそうな人に聞くことにして部屋に向かう。
ーーコンコン
「団長、お忙しいですか？」
ノゼルさんの事をよく知る人物��
フエゴレオン団長
皆さんご存知、ノゼルさんと王国の双璧をなす存在である。
昔馴染みでもある団長なら有力な情報を得られるかもしれない。そうであってくれ。
「いや、今日はもう終わったぞ。どうかしたか？」
「ご相談したい事がありまして…。ノゼルさんの事なんですけど。」
おずおずとそう言い出せば、何やら変な顔をする団長。
反応が芳しくないので一瞬戸惑ったが思いきって言葉を続ける。
「色々あったので何かお礼をしたいと思うんですが、何がいいか皆目検討もつかなくて。知恵をお借りしたくて来ました。」
「…少し待て。」
今度は難しい顔で顎に手を当てて俯き、黙り込んでしまった。
何か変なことを言っただろうか。
まだ少ししか言葉を発していないはずだが…。
神妙な面持ちで待ってると、軽く息を吐いて座るよう言われた。
「あの、何か気に障りましたか？」
「あぁ…いや、そうではないが…。その相談に乗る前にいくつか質問しても良いだろうか。」
「？ はい。」
「いつからノゼルの事を “さん” と…？」
言われてから気付く。
やばい、気を抜いていた。
本人に対して以外は団長呼びを継続しようと思っていたのだが、ここにきて やってしまった。
「えぇと、前の、例の食事の時にそう呼ぶよう言われて…すみません。他の場では団長呼びで通すつもりがだったんですが…。」
「なるほどな…。」
プライベートな悩みの相談だったせいで頭から抜けていた。
あちらから言い出した事で決して軽んじてる訳ではないのだが、どう思われただろうか。
顔を見るのが少し怖くて俯いてしまう。
「少し気になっただけだ、そう固くならずもとよい。」
怒られる前の子供のように体を縮めて小さくなってしまったAに、フエゴレオンは優しく声を掛けた。
そもそも彼女の律儀な性格上、勝手にそう呼んでいる訳がないと分かっているのだ。
だが感じた違和感と、二人との距離が遠のいたような気がして尋ねずにはいられなかった。
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緋毬(プロフ) - ロロクスさん» ありがとうございます！今の所コンスタントに更新できてるので今後も続けていきますね(*`･ω･)ゞ (2019年4月12日 21時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ロロクス - とても面白いです！次の展開が気になります！更新頑張って下さい！！ (2019年4月12日 19時) (レス) id: 975f0eb9b3 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - メリアさん» ようやく自覚する所までこぎつけました…！これから…どうしましょうね！（笑）流れに任せます！！ (2019年4月11日 20時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - ノ、ノゼルが恋....！初恋でしょうか？これからの展開が楽しみです！ (2019年4月11日 20時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - メリアさん» 感想ありがとうございます！励みになります♪ ノゼルさんはきっと照れると目を合わせてくれなくなります（笑） (2019年4月10日 15時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月5日 7時
