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(それにしても、あのノゼルが見舞いに…ね)
Aが悩む傍らで、ユリウスは聞いた内容を思い返していた。
婚約者(仮)といえどそんな事でわざわざ他の団にまで見舞いに行くものだろうか。
それも、あのノゼルが。
(これは…ひょっとするかもしれないなぁ)
自分の至った結論に、思わず笑みがこぼれてしまう。
いくつであっても人の成長というのは喜ばしいものだ。
「魔法帝！ひとつ思いつきました、私の魅力！」
「お、なんだいなんだい？」
「並が故に、特筆して良い所もないかもしれないけど、逆に悪い所もないです！！」
魔法騎士団に入れた以上、魔力にも問題ない。
家柄も特別いい訳ではないが、悪い事もない。
ひとつひとつ考えて得た回答だ。
自信ありげなAに、ユリウスは苦笑いで返す。
「うーん、どうだろう…それだけで決めるかなぁ。」
「ナシですか？」
「ナシにしとこうか。」
えー。
不満げな声を上げるA。
「Aくんは、あまり自分に自信がないのかな？それに、ざっくり割り切れば玉の輿だよ？」
「んー、上昇志向はもちろんありますが、自分の分も弁えています。王族の嫁なんて私には荷が勝ちすぎます。」
「……本音は？」
「王族ってなんだかめちゃくちゃ面倒くさそう。」
素直に答えてぶすくれるAに、ユリウスは声を出して笑う。
まぁ間違いなく面倒な事は多いだろう。
親戚付き合いや社交場でのやりとり、マナー等もそうだが国の基幹部へと組み込まれるのだ。
彼らが居てこそ国が成り立つ。
責任と自由が比例しないのが何とも悲しい所であるが。
対して彼女は、自由を生きたいのだろう。
その身を国の為に捧げようと、自分の力で生き抜きたいのだろう。
相反する、彼と彼女の理想。
(そして、フエゴレオンという存在もあるしね)
「君が立ち止まりたくても、進み始めちゃったからね。ゆっくりでも考えるといいよ。」
「ホントどうしようー！」
「ところでお茶のおかわり頼む？」
「お願いします！」
Aと魔法帝のお茶会は夕刻まで続き、帰る頃にはすっかり日が暮れていたのであった。
そして魔法帝はマルクスくんに休憩が長すぎるって怒られてた。休憩だったんだ。もはや半休じゃん。
「Aくん、1つだけアドバイスしておくよ。まずは、知ることだ。興味が別の感情に変化する事は、よくある事だよ。今は…わからなくてもね。」
「覚えておきます。」
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緋毬(プロフ) - ロロクスさん» ありがとうございます！今の所コンスタントに更新できてるので今後も続けていきますね(*`･ω･)ゞ (2019年4月12日 21時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ロロクス - とても面白いです！次の展開が気になります！更新頑張って下さい！！ (2019年4月12日 19時) (レス) id: 975f0eb9b3 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - メリアさん» ようやく自覚する所までこぎつけました…！これから…どうしましょうね！（笑）流れに任せます！！ (2019年4月11日 20時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - ノ、ノゼルが恋....！初恋でしょうか？これからの展開が楽しみです！ (2019年4月11日 20時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - メリアさん» 感想ありがとうございます！励みになります♪ ノゼルさんはきっと照れると目を合わせてくれなくなります（笑） (2019年4月10日 15時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月5日 7時
