獅子の憂鬱 ページ33
「兄上、お話があります。」
夜。
人もまばらで訪れる者が無いような時間帯に、レオは兄の部屋の戸を叩いた。
「レオか、どうかしたか？」
部屋に招き入れられ、向かい合って掛ける。
渋い顔をして中々話を切り出さないレオに、フエゴレオンは訝しげな顔をする。
いつもの元気さはどこへやら、苦々しい表情をして黙り込むレオ。
「当ててやろう、Aの事か？」
「…っ‼ 」
バッと顔を上げるレオ。
そのわかり易すぎる反応に、思わず少し笑う。
さわりを当てた事で話しやすくなったのか、ようやく口を開いた。
「今日、Aは何やらめかし込んで出掛けていたようなのですが、戻って来た時に一瞬見た表情があまりに浮かないようだったので気になっていたのです。」
「夕食の席でも見なかったな。」
「はい。それで気になって部屋の前まで行ったのですが…逃げたい、と聞こえました。くぐもった声だったので正確ではないかもしれませんが。」
キュッと口を引き結んで
膝に置かれた両手も強く拳を握っている。
「何かあったのか聞きたいのに、もしそれが前に話してた婚約の件だったなら俺は答えを持たぬのです。どうしてやることも…。いつもAには助けて貰ってるというのに‼ 」
歯がゆい思いを吐露する。
無力を嘆く。
レオはそんな思いを一人で抱えきれずに兄を頼った。
それを見たフエゴレオンは元より考えていた事を口にする。
「そうだな、なら明日にでも私からAへ話をしてみよう。」
「兄上…！」
元々その内、話をしなければならないと思っていた事だ。
今もしAが悩んでいるのなら、それも含めて相談を受けるのがベストだろう。
逃げたいと言うほど悩んでいるなら、どうにかしてやりたい。
もし彼女が心から望むなら、どうであろうと力を貸すつもりでいる。
「この件に関しては私に任せてもらえるか。」
「お願いします‼ 」
素直な弟の頭をポンポンと撫で、明日以降の事に思いを馳せる。
そして、不器用な己のライバルの事も。
(あいつとも話をせねばならんな…)
脳裏に蘇る銀色を思い、ため息を
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緋毬(プロフ) - ロロクスさん» ありがとうございます！今の所コンスタントに更新できてるので今後も続けていきますね(*`･ω･)ゞ (2019年4月12日 21時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ロロクス - とても面白いです！次の展開が気になります！更新頑張って下さい！！ (2019年4月12日 19時) (レス) id: 975f0eb9b3 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - メリアさん» ようやく自覚する所までこぎつけました…！これから…どうしましょうね！（笑）流れに任せます！！ (2019年4月11日 20時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - ノ、ノゼルが恋....！初恋でしょうか？これからの展開が楽しみです！ (2019年4月11日 20時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - メリアさん» 感想ありがとうございます！励みになります♪ ノゼルさんはきっと照れると目を合わせてくれなくなります（笑） (2019年4月10日 15時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月5日 7時
