お手伝い ページ3
ーーー朝。
目を覚した私は、身支度を整えてローブを羽織る。
熱は夜に引いたままぶり返しはしなかったようだ。
変な時間に起きたせいでぼんやりする頭に鞭打って食堂へと向かう。
「おはよーございます。」
既に食事をとっていた仲のいい団員に声を掛けて席につく。
今日も今日とてごはんが美味しそうだ。
「いただきまー「Aーー!!!」
最近名前叫ばれる事が多いな。
マイブームなのかいレオくんよ。
私を見つけたレオが、名を叫びながら駆け寄ってくる。
何だかここ数日で見慣れてしまった光景に少し可笑しくなる。
「体はもういいのか？熱は？大丈夫なのか？」
「大丈夫だよ、すっかり下がって超元気。おかげでお腹空いちゃって大変。」
自分の膳を見せながらそう言うと、レオはよかったよかった！と豪快に笑って自分のご飯を取りに行った。
正面に着席し、揃って食べ始める。
「昨晩、食事時に声を掛けようと思ったんだがよく寝ていたようだったのでそのままにしておいた。」
「全然気付かないでぐっすりだったよ！でも夜中にお腹空いて目が覚めたんだけどね。」
「そうだったか！冷めても食べれる物を置いておけばよかったな。」
汁物を口にしながらそう言うレオ。
なんだろう、すごく気遣える子にジョブチェンジしてる気がする。
「厨房で簡単なものを作って食べたから大丈夫だよ。ありがとうね。」
「そうか！実は兄上も遅くまで起きていたようでな。今朝会った時にはまだ少し眠そうにしていた…A？どうかしたか？」
兄上、の言葉に手が止まる。
思い出すのは昨日の………。
顔に熱が集まる。
寝たところでこの記憶が早々褪せる事はなかった。
それを見たレオは、不思議そうに首を傾げていたがふいにまた首元に手を触れる。
「顔が真っ赤だが…熱ではないようだな。」
「だ、大丈夫！ありがとう！」
体温は上がっているが、これは確かに熱ではない。
「そうだ、兄上がAを見かけたら執務室へ来るように伝えてほしいと言われていたのだった！食事を終えたら行こう！」
間違いなく仕事の話なのだろうが、Aはこの後に訪れるフエゴレオンとの対面を想像し、果たして平静でいられるのか不安になるのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 173人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
緋毬(プロフ) - ロロクスさん» ありがとうございます！今の所コンスタントに更新できてるので今後も続けていきますね(*`･ω･)ゞ (2019年4月12日 21時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ロロクス - とても面白いです！次の展開が気になります！更新頑張って下さい！！ (2019年4月12日 19時) (レス) id: 975f0eb9b3 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - メリアさん» ようやく自覚する所までこぎつけました…！これから…どうしましょうね！（笑）流れに任せます！！ (2019年4月11日 20時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - ノ、ノゼルが恋....！初恋でしょうか？これからの展開が楽しみです！ (2019年4月11日 20時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - メリアさん» 感想ありがとうございます！励みになります♪ ノゼルさんはきっと照れると目を合わせてくれなくなります（笑） (2019年4月10日 15時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月5日 7時
