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「クソッ‼ 」
むしゃくしゃした気分で辺りに魔力を放つ。
敵の侵入を許したばかりか負傷者を出し、あまつさえ始末できずに逃した。
とんだ失態だ。
きっとネブラ姉様なら逃さなかったはずだ。
ノゼル兄様ならもっと上手くやれたはずだ。
なのに俺は出来なかった。
あの二人の弟なのに。
自責の念と失態にイライラする。
「あ、こんな所に居た。」
「……何だ。」
「げ、ストレス発散タイムだった？私、帰る？」
「戦えもしない奴が最前線来んな帰れ。」
ここは国境ギリギリの最前線。
襲撃されたら一番戦局が荒れる場所だ。
それなのに目の前のコイツは「えー酷いなー」と言いながら俺の隣に立つ。
言うこと聞きゃしねぇ。
「ソリドが真っ先に気付いて駆けつけたんだってね。重傷者もほぼ居なかったよ、さすがだね。」
「ハッ、被害出てんのに皮肉か？」
「えー。だってソリド以外気付かなかったんでしょ？居なかったらもっと酷かったよ多分。最善でしょ。」
「…世間話がしたいだけなら帰れ。」
じゃあ、本題。
そう言ってAは魔導書を取り出す。
それを見てコイツの思惑を悟る。
「…してねぇ。」
「ホント？」
「……。」
「ホントは？」
こうなった時のコイツはうんざりする程しつこい。
今までも何度か同じ状況に陥っているからよく知っている。
そしていつもこちらが折れるのだ。
「足ちょっと掠っただけだ、問題ねぇよ。」
「右？左？」
「………………左。」
はいはいーっと、と言って魔法を発動するA。
コイツは同じ任務になるとこうして傷を追った俺を追いかけ回す。
どんなに隠そうが追い払おうが拒否しようが。
『常に万全のほうがいいに決まってるでしょ！？』
懐かしい事を思い出した。
最初の任務でキレられた時だ。
これが自分の仕事だから王族だろうと止めさせないと
「はい！他はない？」
Aは回復士だ。
戦闘になれば真っ先に狙われる存在。
そりゃそうだ、例えば強い敵が居てその近くに居れば俺なら真っ先に狙う。
戦えるならまだしも、コイツはほぼ回復とサポート系だ。
だからこんな所に居させてはいけない。
「用が済んだら帰るんだな。こんな所でチョロチョロされると俺の邪魔だ。おまえは戦えねぇヤツらの世話してんのがお似合いだろ。」
ここは国境。
相手も常に見張り、注意をしている。
だから…
「え…。」
帰れと、言ったのに。
矢のような魔法が、Aの体を貫いた。
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緋毬(プロフ) - ロロクスさん» ありがとうございます！今の所コンスタントに更新できてるので今後も続けていきますね(*`･ω･)ゞ (2019年4月12日 21時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ロロクス - とても面白いです！次の展開が気になります！更新頑張って下さい！！ (2019年4月12日 19時) (レス) id: 975f0eb9b3 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - メリアさん» ようやく自覚する所までこぎつけました…！これから…どうしましょうね！（笑）流れに任せます！！ (2019年4月11日 20時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - ノ、ノゼルが恋....！初恋でしょうか？これからの展開が楽しみです！ (2019年4月11日 20時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - メリアさん» 感想ありがとうございます！励みになります♪ ノゼルさんはきっと照れると目を合わせてくれなくなります（笑） (2019年4月10日 15時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月5日 7時
