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やばい、何だかずっと話題が空振っているどころか不愉快スポットにホームランしている気がする。
何でだ。

チラチラ様子を伺いながら、何か話を振ろうか黙っていようか悩んでいると、バチッとノゼル団長と目が合う。


「…………何だ。」


どうやら話をしてもいいようだ。
何とかこの空気を変えたい。
その一心で頭を動かして何とか言葉を紡ぎ出す。


「ノゼル団長は、何度かこういう場を?」

「いや、全て断るようにしている。家柄目当てでの話が多くてな。」

「王族も大変ですね…。」

「…これまでもこれからも、高みを目指している。他の事に関わってる暇などない。」


さすが団長。
魔法騎士団の団長にはそんな人が多いような気がする。
あの魔法帝にしてこの団長達というか。


「だが、そうも言ってられなくてな。長子へ産まれたからには血脈の事も考えていかねばならん。」

「あー、そこにうちの叔父からノゼル団長のお父様に話がいったと…。」


合点がいった。
叔父さん、タイミングが悪すぎです。

一通り食事が終わり、机の上が片付けられる。
そこそこボリュームはあったが昨日とは違いノゼル団長の量も私と同じぐらいだった。
これでも足りるのかな。


「………相手が。」

「?」

「父上から相手がおまえだと聞いた。」

「あ、ノゼル団長はちゃんとわかってたんですね。私は叔父が覚えてなくて…。びっくりしました。」


そこで思い出す先日の店での事。
改めてノゼル団長を見れば見慣れない服だ。
もしかして、今日の為に買い物を…?
いやまさかね。まさか王族様がそんな訳ないわ。


「あ、ノゼル団長ひとつお伺いしたい事が…。」

「何だ。」


コンコン、ノック音がして扉が開きデザートが運び込まれる。
小さなケーキとシャーベット、可愛い取り合わせだ。


「この服やバッグの事なんですが…。」

「言っただろう、似合ってると。Aにはそれが似合うと思い買い与えたのだ。」


やっぱり。
やっぱりか。
あの日、支払いをしたのはノゼル団長だったのだ。
うっかりしていた。
叔母さんかと思ってたので値段を確認していない。


「あの、おいくら位ですか…?ごめんなさい私気付かなくて。」

「気にせずともよい、私がしたくてやった事だ。…まさか返す訳にもいくまい。」

「え、でもこんな高価な物いっぱい…。」


聞く耳もちません。
そんな態度でコーヒーを飲むノゼル団長に、素直に礼を言い後日何かお返しをする事にと決めた。

・→←お相手は。



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緋毬(プロフ) - まゆさん» 感想ありがとうございます!今の所いい勝負なのでまだどっちに転ぶかわかりませんね…(笑)私も書いてて楽しいです(*´艸`*) (2019年4月7日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - はじめまして!私はフエゴレオン様が大好きなので、ぜひそっちとまとまって欲しいです。あぁ……でも嫉妬するフエゴレオン様も見てみたい……(///∇///)ゞ (2019年4月7日 14時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございますヾ(*´∇`*)ノ頑張ります! (2019年4月4日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプ - 面白かったよ (2019年4月4日 16時) (レス) id: ea5f79410c (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございます、今の所いい具合に進められているので、頑張って走ります(*`・ω・)ゞ (2019年4月4日 9時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋毬 | 作成日時:2019年3月31日 23時

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