お相手は。 ページ25
ーーーカチャ、カチャン。
食器が軽くぶつかる音のみが空間に広がっていた。
相変わらず美しい所作で料理を口に運んでいく、対面に座るはノゼル団長。
一体何がどうなってるんだ…。
「………何か…。」
「はい⁉」
「……そう堅くならんでもよい。」
いや、無理です。無理無理。
ノゼル団長が入って来た時点でキャパオーバーしてフリーズ中です。
「何か、考えているな？言ってみろ。」
言えるかっ‼
咄嗟にそう思ったがふと思い直してノゼル団長へ質問する。
「あの、今日ここへは…その…ソリド、様がくるはずとかでは……？」
ジロリ。
鋭い眼光に射抜かれて一瞬息が止まる。
フォークをうっかり取り落としそうになるも、何とか耐える。
やばい、慌てて様づけしたけど普段呼び捨てなのバレたかな⁉
中流貴族ごときがとか思われてる⁉
「………その質問の、意図するところは…。」
グッと何かを飲み込むような間をおいて、ノゼル団長が続ける。
ゆっくり口を開き、何を言われるんだろうと待っていると思わぬ言葉が発せられた。
「この場に来るのはソリドの方が良かったという事か…？」
ちょ、誰か翻訳してください。
そりゃノゼル団長で良かったとは言い辛い。
ソリドの方が話しやすいし、お願いするのも簡単だと思ってた手前この状況は全く予想外すぎてどうしていいのか分からない。
「いえ、叔父から王族のご子息だとは伺っていたのですがまさかノゼル団長だとは思っていなくて…。」
「そうか。」
……どうやら、端からお相手は団長だったようだ。
完全に読みが外れてしまった。
しかし幸い、先日の事でそれまであった苦手意識は大幅に払拭されている。
「遅くなりましたが、このような場をご用意くださりありがとうございます。」
「うむ。」
しばしの沈黙。
ノゼル団長は黙々と料理に向かい、私もそれ以上はその場で言わずにおいた。
「父上が…身を固めろと煩くてな。」
「あぁ、お父様からしたら気になるんでしょうね。ヤミ団長も魔法帝に同じ事を言われてたみたいですよ。」
思い出してクスクスと笑うと、それまで肉を切り分けていたノゼル団長の手が止まる。
どうしたんだろうと顔を見ると、え？怒ってる？
キュッと寄った眉根が不快感を醸し出している。
「………あの異邦人と仲が良いのか。」
「へ？いやこの間偶然お会いして…。」
「…このような席では、むやみに男の名を出さん事だ…。」
叔母さん、王族って難しい。
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緋毬(プロフ) - まゆさん» 感想ありがとうございます！今の所いい勝負なのでまだどっちに転ぶかわかりませんね…（笑）私も書いてて楽しいです(*´艸｀*) (2019年4月7日 17時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - はじめまして！私はフエゴレオン様が大好きなので、ぜひそっちとまとまって欲しいです。あぁ……でも嫉妬するフエゴレオン様も見てみたい……(///∇///)ゞ (2019年4月7日 14時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございますヾ(*´∇`*)ﾉ頑張ります！ (2019年4月4日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプ - 面白かったよ (2019年4月4日 16時) (レス) id: ea5f79410c (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございます、今の所いい具合に進められているので、頑張って走ります(*`･ω･)ゞ (2019年4月4日 9時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年3月31日 23時
