熱 ページ39
ーー熱い。
熱が出ているから当たり前なのだが、頭までお風呂に浸かってしまっているように熱い。
脳が茹だりそうだ。
(お水…)
ベッドサイドに置いた水を飲み、再び横になる。
(何で私、熱出したんだっけ)
休暇中に休まらなかったから？
予想外の事が起こりすぎて頭がキャパオーバー？
レオが言うように薄着で寝てたせい？
体がつらく頭はボーッとしていて、眠る事もできずにここ数日の事を思い返す。
何も考えない方がいいと思えば思う程、意識は思考に捕らわれた。
(熱、なんて)
以前出したのは何歳の頃だったろう。
その頃にはまだ両親が家に居て、母親が必死に看病してくれていたような気がする。
あの時は確か、風邪だった。
摩り下ろして食べやすくした果物や、苦い薬。
ふと目を覚ますと夜遅く帰宅した父親が、心配そうに私の頭を撫でていたのを覚えている。
(なんか、情けないな…)
日々体を鍛えているハズなのに。
それとも精神面の弱さか。
どちらにせよ、何だかこのまま消え去りたいような感覚に陥る。
せっかく団長も認めてくれるようになってきたのに。
こんな事で熱を出して寝込むなんて、呆れられたりしてないだろうか。
ーー熱い。
全身が熱い。頭が痛い。体がつらい。
自分が、情けない。
………寂しい。
はやく、良くならないと。
(あぁ…)
何だかどうしようもなく泣きそうだ。
瞳に溜まりそうになる涙を、必死に散らして耐える。
その時、ふと思い出した過去の記憶。
母親は確かあの時。
(冷たいもので、冷やしてくれていたような…？)
うろ覚えの記憶。
だが、そうか。
熱いのなら冷やせばいいんだ。
そんな事すら考えつかなかったなんて、いよいよ熱により死滅してるであろう脳細胞の心配をした。
(魔導書は、)
あった。
いつものように枕の下だ。
そう、私の属性は氷。
冷やす事ならエキスパートである。
涙で霞む魔導書のページをめくり、良さそうな魔法を選ぶ。
(凍りつかせる程の冷たさは必要ないから…)
先程飲んだ水より、少し冷たいイメージで。
かつ継続的に温度が続くような魔法。
そして、いつもレオの火傷を冷やしている時の魔法に辿り着く。
「ーー氷魔法…。」
発動時に感じた体の違和感に反応できず。
魔法は、発動した。
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緋毬(プロフ) - まゆさん» 感想ありがとうございます！今の所いい勝負なのでまだどっちに転ぶかわかりませんね…（笑）私も書いてて楽しいです(*´艸｀*) (2019年4月7日 17時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - はじめまして！私はフエゴレオン様が大好きなので、ぜひそっちとまとまって欲しいです。あぁ……でも嫉妬するフエゴレオン様も見てみたい……(///∇///)ゞ (2019年4月7日 14時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございますヾ(*´∇`*)ﾉ頑張ります！ (2019年4月4日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプ - 面白かったよ (2019年4月4日 16時) (レス) id: ea5f79410c (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございます、今の所いい具合に進められているので、頑張って走ります(*`･ω･)ゞ (2019年4月4日 9時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年3月31日 23時
