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ピンと伸びた背筋。
優雅に動くフォークとナイフ。
凄まじく綺麗なテーブルマナーでコース料理を平らげていく。
あぁそう、平らげるという表現が的確のように思う。
所作は溜め息が出るほど美しく、しかしノゼル団長の口に消えていくのは私の2.5倍程の食事。
(あの細い体のどこに入るんだ……。)
ノゼル団長の意外ポイントその2、めちゃくちゃ食べる。
あ、1は服のセンスがいいって事ね。
こんな事考えてるなんて知ったら水銀降ってきそうだな。
同じコース料理のハズであるが、席につくなり
「私はいつものを。彼女へは通常のものを。」とメニューも見ずにおっしゃり、さすが常連!そして私とメニュー違うんですね、そりゃそうか王族だもんね!と思っていたのだが。
出てきた内容は全く同じだった。
量以外は。
「ノゼル団長…。」
「…………何だ。」
「えっと、美味しいですね?」
つい口を開いたものの、やはりツッコめず話題を逸らす。
何だこのチープな会話。話術プリーズ、泣きそう。
「そうか。」
「ノ、ノゼル団長も美味しいですか?」
「……私は口に合うものしか食さん。」
さすが王族。
いや、でも量よ。
(あ、でも常に頭や体を動かすし成人男性の運動量からするとこの摂取量としてはもしかして普通なのか…?)
よくよく思い返してみればフエゴレオン団長も大食漢だし、成長期のレオは言わずもがな。
自分が勝手に食細そうだと思っていただけで、普通なのかもしれない。
無理やりそう納得して、食べ進めた。
料理はどれも美味しくて最後のデザートまでゆっくり味わい尽くしたのだった。
「美味しかったです。」
「そうか。」
食後のコーヒーを飲みながら、最後の最後まで所作が美しいなとついまじまじと見入ってしまう。
「……何だ。」
「いえ、…すごく綺麗だなと、思いまして。」
しばしの沈黙。
いや伝わらんわこの表現。
冷や汗をかきながらどうすべきか頭を悩ませる。
「きさ…Aも、悪くはなかったぞ。」
「うぇ⁉あ、ありがとうございます⁉」
貴様って言いかけたような気がしたけど!
悪くなかったって食事のマナーだよね?よく伝わったな…‼
「そろそろ出るが。」
「あ、はい!」
立ち上がって荷物を持つ。
その間にもノゼル団長はスタスタと外へ向かう。
え?あれ?お会計は??
「必要ない。」
キョロキョロする私の意図を正確に捉えたであろうノゼル団長がそう言った。
顔パス?顔パスなの!?
さすが王族。
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緋毬(プロフ) - まゆさん» 感想ありがとうございます!今の所いい勝負なのでまだどっちに転ぶかわかりませんね…(笑)私も書いてて楽しいです(*´艸`*) (2019年4月7日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - はじめまして!私はフエゴレオン様が大好きなので、ぜひそっちとまとまって欲しいです。あぁ……でも嫉妬するフエゴレオン様も見てみたい……(///∇///)ゞ (2019年4月7日 14時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございますヾ(*´∇`*)ノ頑張ります! (2019年4月4日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプ - 面白かったよ (2019年4月4日 16時) (レス) id: ea5f79410c (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございます、今の所いい具合に進められているので、頑張って走ります(*`・ω・)ゞ (2019年4月4日 9時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋毬 | 作成日時:2019年3月31日 23時