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ーーヒュォォオオオ
なんて。
店の中なのに冷たい風を感じます。
気のせいだけど感じるよ。
「……A、といったか。」
「えっと、はい、Aです。」
「そうか。」
タスケテ会話が続かない。
私の名前覚えてくれてるの奇跡じゃないかな。
何度かお会いしたことも、少し会話した事もそりゃあるけど、道端の雑草くらいにしか認識されてないかと思ってたよ!
「服を買いに来たのか。」
「そうです。いつもは身内に選んでもらってるんですけど、今日は自分で選ばないといけなくて。」
「そうか。」
ノゼル団長の[そうか]ヤバい。
どんな会話も立ちどころに終了してしまう。
どうしたもんかと頭を捻っていると、何故かノゼル団長は並べてあった服を手に取り始めた。
いくつか手に取っては戻し、絞り込まれていってるような…?
「…これだな。」
何かが決まったようです。
「あの、ノゼル団長?その服の山、お店の人が私にいくつか選んでくれたもので……。」
妹さんへの贈り物かな?
私のサイズだと問題あるような気がするぞ?
そう思いながら恐る恐る声を掛けると、ノゼル団長は手にした服をそのまま私へとパスした。
「それにしろ。他の物も見るぞ。」
「へ⁉ え⁉ ノ、ノゼル団長⁉」
「喚くな。」
そうしてノゼル団長は次々と店の品を選んでいった。
イヤリング、ネックレス、バッグ、果ては靴まで…。
いくつか並べてジッと見て、即断即決。
さすが鷹、まるで獲物を捕らえるような…。
それらの品は私へと手渡され、そのまま試着室へと押し込まれた。
(わ、わからん…!何なんだ一体!)
しかし逆らう意味もないので大人しく試着してみる。
と……これはもはや元からセット売り?完璧なトータルコーデ?そう思わずにはいられない程にしっくりきた。
(意外だ…意外すぎるぞノゼル団長…‼)
露出も少なく落ち着いた雰囲気のそれは、大人清楚系?それでいて華やかさもある。
何より私自身が野暮ったく見えない!
大いに気に入った為、それを全て購入しようと試着室から出て店主へ渡した。
「…あれ?」
「ノゼル様なら出られましたよ。」
「あ、そうなんですね。」
(お礼、今度会った時にちゃんと言おう)
きっといつまでも決められない私を見るに見かねて選んでくれたんだろう。
「はいどうぞ、ありがとうございました。」
「? お支払いは…?」
「ちゃんと頂きましたので大丈夫ですよ。」
叔母さんかな?
私は首を傾げながら店を後にした。
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緋毬(プロフ) - まゆさん» 感想ありがとうございます!今の所いい勝負なのでまだどっちに転ぶかわかりませんね…(笑)私も書いてて楽しいです(*´艸`*) (2019年4月7日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - はじめまして!私はフエゴレオン様が大好きなので、ぜひそっちとまとまって欲しいです。あぁ……でも嫉妬するフエゴレオン様も見てみたい……(///∇///)ゞ (2019年4月7日 14時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございますヾ(*´∇`*)ノ頑張ります! (2019年4月4日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプ - 面白かったよ (2019年4月4日 16時) (レス) id: ea5f79410c (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございます、今の所いい具合に進められているので、頑張って走ります(*`・ω・)ゞ (2019年4月4日 9時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋毬 | 作成日時:2019年3月31日 23時