悪者扱い。 (ページ1)

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バレンタインに私の恋が終わった。
正確に言えばバレンタインの二日前。

あの子と彼が両思いなのは知っていた。
大分前に風の噂で私の耳にも入っていたし。

まぁ、好きになるまでそんな事興味も湧かなくて全く覚えていなかったけど。

『いつから好きなの？』

司「ガキの頃からずっと」

けどどうやらあの噂は本当らしい。
あの子への好意が丸出しだ。

初めて女になろうと努力していたのに、ものの数カ月で恋の幕が閉じようとしている。

『どうすんの？これから先あの子以外にこの人だって人が現れたら』

司「現れないだろ。本気であいつしか居ない」

この目に偽りは感じられない。
そして、私への好意も。感じられなかった。

女の子慣れしてない彼とまともに話せているのは、多分私で。
一番仲のいい女子も私。

その筈なのに、なんであの子なの。

『あ、バレンタイン近くの広場に来てだって』

司「ん」

『あと、楓士雄くんも誘っておいて』

そう言い残して屋上を後にした。

後から恋した私は二人の恋を邪魔する悪者扱い。
片思いの私には出る幕がないらしい。

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