【H×H】無自覚ループ２

第62話 ページ13

貴方「駄目だあ…何しても変わらん。」

もうどうしたらいいのかなこれって
全く終わりが見えてこない
どうせループし続けるんだったら少女ゲー的な感じでみんなを攻略……いやないな。ないない。
僕が好きなのフェイタンだけだし
そもそも難易度が高すぎる。
ってそういう話じゃなくて。

あ。そういえば僕がいなくなったあとって皆はどうしてるんだろう。やっぱ元の世界に帰ったとか思われてるのかな。でも，いなくなったら普通にそう思うよね。元の世界の方は…あー興味ない。誰もいなくなったことに気づいてないだろ。気づいてくれるような人間は僕のそばには誰一人いないし。

そう僕はずっと1人だったんだよなあ。
今みたいに，なんの変化もなく何もない日々を1人で無駄に生きてきた。たまになんで生まれてきたんだろうなんて考えたりしてさ，寂しいといえば寂しかった。でも別に平気だった。僕には好きな人がいたから。その人のことを考えれば幸せになれた。

僕がフェイタンに恋をした時。
たぶん小学生くらい幼かった気がする。
その時から僕は初恋を諦めてた。
だって現実にはいないし会うことなんてできないってちゃんと理解していたから。
それでも僕は一途に思い続けた。
僕は相手を想えるだけで幸せだったからだ。
トリップをするまでは，ね。

今となっては僕もわがままになったものだ。
困ったもんだよ，ふとした瞬間に彼のことを考えれば後悔することばかり。せめて想いを伝えたかった，だなんて思う。諦めてたなんて言っときながら全然諦めてないじゃん。

あーあ。なんでトリップなんかしたんだろうな。
恋の神様が僕の恋を実らせようとしてくれたのかな？……なーんちゃって。
でもさあ，今までダメだダメだって思ってはいたけどループし続けるなら1回ぐらいいんじゃないかなって思うんだよね。告白的なやつ。

貴方「あ，もう時間か。」

意識が薄れていく中
僕は頭の中でひとつのことを考えた。

たった1回たった1回だけ
次は想いを伝えてみよう
どうせループするのだから
どうせやり直すのだから

それぐらいはやってもいいでしょ？

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