【H×H】無自覚ループ２

第61話 ページ12

貴方「…まただ。」

またここだ。
また戻ってきてしまった。
何度目だろうかこの過去の世界にやってくるのは。もうそんなことめんどくさくなって数えちゃいない。それぐらいここに戻ってきている。

僕がここを過去の世界だと気づいたのは3度目にここに来た時だった。1度目はただの夢だと思い2度目は半信半疑，そして3度目で確信した。

僕は謎のループにハマった。
いつ抜け出せるのか分からない，もしかしたら抜け出すことなんて不可能かもしれないループに。
時間は進むが進むだけ進むとまたここに戻ってくる。このループを繰り返すうちに僕は元の世界へ帰ることは諦めていた。

何度も何度も何をしたって絶対にここへ戻ってくる。戻ってくれば同じことの繰り返し。元の世界へ帰ることに関しては別にどうでもよかった。彼の傍から離れられさえすれば。ただループをするということは彼に絶対に会ってしまうのだ。出会いと別れの繰り返し。何度目かのループで僕はコミュニケーションをとるのをやめた。

今僕がしなければいけないのは，この謎のループから抜け出すことである。そんなこと考えるのはもう無駄な気がして諦めたいのだが諦めても今と状況は変わらないのは目に見えているので考えなければいけない。

さてここでループをしていて分かったことについて少しだけまとめてみようか。
まず1つ目，使えるはずの念能力が使えなくなっていること。2つ目，時間が進むのは僕があの建物から出ていって綺麗な満月の日だったあの日まで。ちなみに途中で死んでも戻る。というか死ぬ前にここに戻されてる。3つ目……3つ目？あーそうそうこれは分かっていることとかではないが，先程から過去の世界だと僕は言っているけども実はそうではないのかと僕は考えている。まあこれはただの勘だ。そんな気がするってだけ。
だいたいこんなもんかな。分かっていることって結構少ない。なんでこうなったのか，僕は何をすればいいのかとか重要なことは全く分からない。

…なんか色々と辛いな。
でもまあ辛くて泣いても何も変わりゃしない。なら泣くより考えた方が利口なのか，ループから抜け出せると信じた方がマシなのかな？？
よく分かんないや。なんかそれって馬鹿みたいに思えるな。だってさ

貴方「あーダメだ，僕の悪いところがでてきた。元気だけが取り柄のやつが何考えたんだ全くもう〜。」

今はただやると決めたことをやるだけ。

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