【H×H】無自覚ループ

第25話 ページ26

貴方「…。」

眠れない。……なぜだ。
目瞑ってれば勝手に眠くなるもんだと思ってた。

僕は体を起こして周りを見る。

電気は消され特に何かあるわけでもなく
聞こえるのはフェイタンの寝息ぐらいだった。
外の空気でも吸ってこようとか考えたが
首輪で繋がれているので部屋からは出れない。

貴方「…。」

そこで僕はふと気になった。
フェイタンの寝顔ってどんなのだろうか，と。
バレた時何かしら言われるだろうけど
それでも僕はフェイタンの寝顔が気になる。
なので僕はできるだけそーっと
フェイタンのベッドへと近づいた。
そしてゆっくりフェイタンの顔を覗いた。

ﾌｪｲ「…。」

貴方「…。」

……み，見えない。
コイツ頭から布団かぶってやがる。
しかも少し丸くなって寝ているだと。
可愛い。寝顔見れなくてもこれは十分な収穫。
いいもん見た。よしもう寝よう。
さっさと寝よう。きっともう寝れる，はず。

僕は心の中では早く寝てしまおうとは思うものの
体はその場にいたまま寝ようとはしなかった。

貴方「ほんとに寝てる？」

僕はフェイタンをつんつんとつつく。
反応は帰ってこなかった。
フェイタンがちゃんと寝ているのを確認すると
体重はなるべくかけず上から覆いかぶさるように
僕はフェイタンを軽く抱きしめた。

あったかくて，心地のいい匂いがして
こうするととても安心する。
人が寝てる間になにしてんのって話なんだけど
いやなんかしたくなっちゃった。

きっと僕はトリップをしたというのを
実はまだ認められずにいて，元気だけが取り柄の僕はいくらポジティブでいようだなんて思っても
ずっと不安で，怖くて，逃げたくて
心のどこかで安心できる何かを探していた。

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