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「暇」
暇だ。非常に暇だ。
零した言葉は真っ白な天井に溶けていく。
現在時刻は22時。まだ帰ってきてないAは、最近帰りが遅い。
Aはここのところ忙しいらしく、慌ただしく起きては泥のように眠る日々だ。寝言でも仕事の話をしていた。
そんな奴に世話をしてもらうのは気が引けて、自分の飯は自分で用意するようになったし、掃除機くらいはかけてやるようになった。
ただ、前みたいに突っかかる奴がいないのはつまらない。
だがまあ仕方ない。向こうは社会人なのだ。そんなことで駄々をこねるほどガキじゃねえ。
寝るには早いが、することもないしと布団にもぐろうとした時、玄関の鍵の開く音がした。
布団に入れていた足を引きずり出し、玄関へと向かう。
「A、遅かったな·····あ？」
「えっ？」
覗き込んだ廊下の先にいたのは、見知らぬ男と、それに凭れ掛かるA。
顔を見合わせたまま時が流れる。我に返ったのは俺の方が早かった。
ずんずんと廊下を進んで行き、未だに狼狽えている男からAを引き離しそのまま後ろにぶん投げる。
『ぐえっ』と轢かれたカエルのような声を上げたが、何時ものように起き上がることはなかった。
そんなAを一瞥し、目の前に立つ男を睨めつける。
「誰だテメェ、大層に家まで送ってくれちゃって。何用だ？」
「えっ、あ、いや、僕はそういうんじゃなくて、あの、」
「じゃあなんだってェんだよハキハキ喋れや」
「いや、えっと」と言葉にならない単語を発する男にイライラが募る。舌打ちを落とすと、その肩はびくりと跳ね上がった。それにまた苛つく。
仁王立ちで歯を剥き出しにして唸る甚爾とオロオロと落ち着かない頭でどうにかこうにか話をしようとする男。修羅場である。
一触即発、今にも甚爾の手が男に掴みかかろうとしたその時、廊下にぶん投げられたAがただならぬ空気を察し起き上がる。そしてそんな甚爾と男を見、一瞬で理解。飛び上がり甚爾の肩を引っ掴んで叫んだ。
『まっ、待て待て待て甚爾！！！早まるな！！！！
部下！そいつ私の部下！！』
「あ"？？？部下だァ？？？？」
そんなAの言葉に男の顔面に向かって放とうとしていた右手を下ろす。目の前の男に向き直ると、男はちぎれんばかりに首を振り、肯定の意を表していた。
その目には涙が溢れ、顔は恐怖でいっぱいだった。
「··········はよ言えや」
『言えるかァ！！！！！！』
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ツバメ - 甚爾達が面白い もっと続編見たいです更新頑張って下さい 出来たら大人になった甚爾を呪詛側にわやらず何とか東京校の高専に通わせ卒後も高専術師側にして欲しいです (2022年2月23日 1時) (
レス) @page22 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
リートゥ(プロフ) - 更新ありがとうございます！！！ (2021年2月16日 20時) (レス) id: edb0872f6e (このIDを非表示/違反報告)
綿(プロフ) - .さん» ありがとうございます(TT)頑張ります！ (2021年2月16日 20時) (レス) id: 797cd158c1 (このIDを非表示/違反報告)
. - とてもおもしろかった！更新楽しみに待っています。 (2021年2月6日 3時) (レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
綿(プロフ) - Ako Daitoさん» 丁寧なお言葉で、、。ありがとうございます。笑 (2021年1月6日 22時) (レス) id: 797cd158c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綿 | 作成日時：2020年12月8日 20時
