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episode127 ページ34

黒川とA。お互いに一歩も譲ることはなく、刃を交え続けている。

黒「さすがと言うべきか。しかし、他の者はそうは思わんだろうな。これでお前も化け物扱いだ」

あ「他の奴がどう思おうがどうでも良い。これが私だ。今までずっと偽ってきた……もう羽目を外して好きに生きたって良いだろ?どうせ誰も何も言わないんだから」

黒「ほぉ、覚悟の上か。刀に呑まれずよくやるものよ……だか、正直キツいのではないか?」

あ「……何のこと?」

黒「気づかないとでも思っているのか?先ほどから刀が鈍っているではないか」

あ「どこから切り落としてやろうか考えてるんだよ」

軽口を叩いてはいるが実際のところ、黒川の言った事は紛れもない事実だ。

刀を交える度に黒い物が身体の中心から広がるようだ。まるで、水溜まりに黒い絵の具を上から垂らし、黒色が広がっていく様な……そんな感覚だ。

ジワジワと何かが私を飲み込もうとしている。

黒「言っただろう。お前にはその刀は扱えぬと」

あ「グッ!」

一瞬の隙きをつかれ黒川に蹴り飛ばされた。そのまま距離を取るが、正直なところもう自力では立っていられない。

刀を地面に突き刺し片膝をつく。ギリギリと痛む胸元を押さえ、私の中で広がり続ける何かを必死に耐える。

あ「まだっ……まだ終わってないんだよ!邪魔するな!!」

近「A!?」

総「しっかりしろィ!」

あ「お前らは来るな!」

土「そんなこと言ってる場合じゃねぇだろ!!」

お前らが来たら精神が鈍るんだよ!

黒「もう限界のようだな。なかなか楽しめたが、所詮その程度だ。継承されていないお前はな」

土「継承?」

黒「何も知らんのだな。なら見てろ。今のコイツを壊す事は容易い」

野郎、何する気だ。継承の事を知ってたなんて……まさかっ!

黒「お前は弱い。何も守れない無力だ。ここにいる者達の前で無様に死んでいく」

あ「違う!」

黒「何が違う?現に守れていないではないか。仇を討つどころか、新選組に依存し一族ではなく奴らのために命を掛けている」

あ「ヤメロ……違う!私がお前を殺す。一族の為にだ!」

黒「お前は何も守れない……好いている土方もな」
 
土「!?」

あ「だ、誰が土方なんかをっ」

総「………」

黒川の思わぬ言葉に周りは驚き唖然とした。しかし、総悟だけは唇を噛みしめ俯いた。

黒「お前がどれだけ足掻こうと、周りにいるの者は一人残らず息絶える。お前はまた、孤独になる」

あ「……こ、ど……く」

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設定タグ:土方十四郎 , 沖田総悟 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:暇人の甘党 | 作成日時:2016年5月14日 0時

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