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〔13〕 ページ14

「な、にを・・・・・・。
しとるんじゃい!!!!!」



がすッ!!


呼吸しづらくなった時、くぅちゃんの声と何かがぶつかった音がした。
それと同時に押し付けられていた背中と唇が解放されて視界も晴れる。


力が抜けたようにその場にへたりこむ。
・・・今、私・・・わた・・・・・・っ・・・!
男の人に、キス・・・され・・・・・・?

起きた事を理解してしまえば、私の身体を症状が襲う。




A「っ、・・・っっ・・・・・・!!
・・・・・・、!?・・・・・・・・・っ!???」

96猫「あーもう・・・っ。
はっきゅん、ゆっくり呼吸しよ?」




喉をフェルト生地で覆ったように呼吸がしづらくなる。
目眩(めまい)が起きたみたいに白黒になる。
フィルターがかったように音が遠く感じる。
暑いのか寒いのか、どんな姿勢なのかもわからない。

あ。
やだ。
だめ、おもいだすな。




A「、ぅ・・・・・・っ・・・く・・・ぅ、ちゃ・・・っ」

96猫「ん、くぅちゃんだよ。
わしが来たからにはもう大丈夫だから」

A「ぁ、っ・・・ひ・・・・・・・・・、ぅ・・・っ・・・!」

96猫「ゆっくり。ゆっくりでいいよ。
わしの目、見て?」




白と黒の世界で、必死に目の前に居るくぅちゃんを探す。
覚束ない視点でくぅちゃんの、しっかりとした紅色の目を見つけた。

(すが)るような思いで、焦点を合わせた。




96猫「慌てないで。焦んないで。
ゆっくり・・・ゆっくり、・・・吸って」

A「っ・・・ッ、・・・・・・ふ、・・・っ・・・」

96猫「うん、そう。
ゆっくりのままでいいから、吐いて」

A「・・・・・・、ッ・・・・・・・・・は、・・・ぅ、・・・・・・」

96猫「その調子。
はっきゅんのペースで、ゆっくりね」




くぅちゃんの落ち着いた声と背中を優しくトントンされる感覚に、私の症状も少しずつ治まっていった。





​───────​───────

​───────・・・・・・


​───────​────



症状も引いて、くぅちゃんに「もう、大丈夫」と伝える。

・・・うん、だいぶ落ち着いた。




96猫「もう、大丈夫?」

A「・・・うん」

96猫「そっか。
・・・さて、と。
はっきゅんは家に入ってていいよ。わしは今からこの男に制裁加えなきゃいけないから」




パキパキと指を鳴らすくぅちゃん。
こ、怖いよくぅちゃん・・・かっこいいけど・・・!

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羽唄(プロフ) - 更新待ってます。 (2020年7月26日 14時) (レス) id: 70668bde97 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 続けてすいません。m(__)m 気になっていたのですが、27話に登場した犬派って、あのネットで騒がれてる都市伝説な、あの犬派さんですか!?だとしたら、ぬーさんと黒白ちゃんの関係を、もう少し詳しく教えてほしいです!間違えてたら、すみません・・・ (2018年11月28日 14時) (レス) id: e6cf85a077 (このIDを非表示/違反報告)
のん - はじめまして!この小説、大好きです!!!更新頑張って下さいね!応援してます! (2018年11月28日 14時) (レス) id: e6cf85a077 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ009 - 楽しんで読んでます!これからも更新頑張ってください!! (2018年8月20日 23時) (レス) id: 75d4b4369f (このIDを非表示/違反報告)
こん - 更新頑張ってください (2018年8月1日 16時) (レス) id: 44511884a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暇犬 | 作成日時:2018年7月10日 2時

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