× ページ4
燃えるような、恐ろしく熱い感覚に私の意識は無理矢理起こされた。
A「・・・・・・、っ・・・ぁ・・・・・・?」
うらた「ん・・・。
・・・あー起きた?別に寝てても良かったけど・・・っは、うま・・・」
ガリ、ガリ
A「・・・!、!!?
痛っ・・・な、にして・・・っ」
うらた「何って、
・・・にしても、お前ロクな食生活送ってなかっただろ。血の味薄いし肉も栄養うっすいんだけど」
起きていきなり美味いやら酷評やらと矛盾した感想を言われた。
私の左手首を掴んでジュルジュルガリガリとえげつない音を立てながら、書いて文字の如く喰べている茶髪碧眼の青年・・・確かうらたぬき。
確信した。やはりこいつらは人間じゃない。よく解らないけど意識を失う直前に「俺達が人間じゃない」って言ってたし。
と言うかここは一体どこなんだ。屋敷・・・と言っていたから、恐らくは彼らが住んでる棲み家だろうけど・・・。
ガリ・・・ッ
A「いった・・・っ!」
うらた「なー・・・名前言えよ。
言わないと殺さないように痛み与え続けるよ?」
A「っ・・・・・・なん、で・・・!」
うらた「・・・ほら、言えよ。言うまで喰うから・・・さァ・・・」
また左手首が、喰われる。
キバが。舌が。私の血肉を抉りとっていく。
っ・・・これ以上は、痛みで気がおかしくなりそうだ。
A「・・・、・・・っ」
うらた「んー?」
A「A・・・っ、!」
うらた「ん、言えるじゃん」
解放される左手。
ご丁寧に脈を千切らないように喰べられている。
喰べていた張本人は口の周りに付着した血をペロリと舌で舐めとった。
うらた「・・・ああ、言い忘れたけど。
お前が俺らの誰かを愛して、俺らの誰かに愛されるまで殺してやらない」
A「、は・・・?」
うらた「それとも俺を愛してくれる?
・・・優しくするよ?」
耳元で言われた言葉に、反射的に右手で突き飛ばした。・・・つもりだったけど左手が痛すぎて全然力が入らずにうらたぬきの胸板に右手を押しつけるかたちになった。
うらた「はは、力弱っ。
それともなに、誘ってんの?」
A「・・・っ死ね」
うらた「うっわ生意気。
・・・ま、時間は腐るほどあるからよーく考えなよ。誰にするか、さ」
離れていくうらたぬき。
ズキズキと痛む左手を押さえながら、私はただ睨みつける事しか出来なかった。
754人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エス(プロフ) - 更新停止中ですがまた書いて欲しいです! (2020年6月1日 22時) (レス) id: 3190ad61df (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - すごく好みです!更新待ってます、! (2020年4月27日 17時) (レス) id: 4f83e9d9b1 (このIDを非表示/違反報告)
優姫(プロフ) - 加恋から改名したものです!前にもコメントしましたがこの作品世界感から、情景の表し方とか好きです。応援してます。 (2018年11月8日 20時) (レス) id: a847480144 (このIDを非表示/違反報告)
むぅな(プロフ) - すごくおもしろかったです!浦島坂田船のかっこよさも何一つ欠けていない上に独特な世界観。大好きです。質問ですがもう終わってしまうのですか?続くではなく終わりと書いてあるので、、、終わらないでください!!! (2018年11月4日 21時) (レス) id: f63dac09fd (このIDを非表示/違反報告)
ALICE - こういう小説本当好きです!! 更新頑張って下さいっ! (2018年8月28日 13時) (レス) id: 3110886a37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:暇犬 | 作成日時:2018年6月13日 0時