[2] ページ2
少しずつ列が進み始めて、私はハッとして流れに従った。
・・・とにもかくにも、その黛が言ってた通りに1ヶ月後にチケットが届いたのだ。
それからはあっと言う間にだった。
外出なんて自分から進んでしない引きこもりの私にとって、ライブなんて無縁なイベント。
しかもどんな何ていうユニットが出るのかすらも知らない。
解るのは、さいたまハイパーアリーナと言うとんでもなく大きな会場で開催されると言う事だけ。
A「(本当、大変だったな・・・。
お父さんとお母さんからもまさかのカミングアウトされたし・・・)」
母『A、あなた一人暮らししてみない?』
A『・・・え・・・』
父『大丈夫、一人暮らしと言っても黛の住んでるマンションのすぐ近くだ』
A『・・・や、やっぱり私・・・邪魔、なの?』
父『そんな事無い。むしろずっと実家暮らしでもいい。でも、それだとAの為にならないと思ってな・・・Aには、もっと広い世界を見てほしいんだ』
A『・・・っひ、広い世界って言われても・・・私なんか・・・』
母『大丈夫よ。私とお父さんの娘だもん。
・・・あなたの夢、叶えておいで?』
A「(・・・夢、なんて・・・・・・。
私に、叶えられる訳・・・ないのに)」
とにもかくにも、私は本当に引っ越した。
黛が住むマンションから徒歩5分以内の、マンションに。
今日で引っ越して3日目。本当に振り込まれていた交通費を使って、私は東京から埼玉へと来た。
ちなみに、無職と言う訳ではない。
ちゃんと仕事はしてる。
・・・ただ、人前に出ない仕事なだけ。
だから貯金も多くはないけどあるし、今日だってATMで少し多めに下ろしてきた。
前もって物販情報を調べておいたりした方が良かったんだけど・・・引っ越し作業に思いのほか集中してしまって、それどころではなかった。だから、一応財布には3万円入ってる。
・・・あまり高額じゃないといいな。
なんて考えながら、少しずつ自分の順番になるのを待った。
((2時間後))
「次の人、どうぞー」
A「(じ、順番きた・・・!)」
受付のスタッフに呼ばれて、私は物販ブースの一番奥の受付に進んだ。
三十分前くらいに回されてきた購入希望シートを受付スタッフに渡す。
物販情報は、看板みたいなのを見て書いた。・・・どれもかわいいのとかばっかだった。
96人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アメちゃん - 凄かったです!とても面白いです! 都市伝説系歌い手の方も読ませていただいています! 更新頑張ってください! (2018年3月5日 17時) (レス) id: 51f9a81287 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:暇犬 | 作成日時:2018年3月4日 1時