44.その空間に、油断した ページ16
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カラン…と、少し重たい扉を開くと鈴のような音が鳴る。
あたりを見渡すと目が合って、お店の人に「待ち合わせです」と声を掛けて進んでいく。
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ごめんね道に迷って、と席に座ると、サッと目の前にメニュー表が差し出される。
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潤「ごめんね、急に呼び出して」
「ううん。丁度一人で居たくなかったから良かった(笑)」
潤「え？なんかあったの？」
「んー、まぁちょっとね」
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そっか、と心配そうに私を見る潤くん。
それでも私が自分から話さない限りは絶対聞いてこない潤くんに、言葉にならない優しさを感じる。
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電話を出ると、その声の主は潤くんで。
涙のせいで鼻声になった声を誤魔化しながら出ると、「今からちょっと時間ある？」と聞かれた私は、行く、以外の選択肢が見つからなかった。
くるくると頭の上で回る扇風機の風に当たると汗がスゥと引いていく。
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私オレンジジュースにしようかな、と話すと潤くんが店員さんを呼んでくれて
私の分までサラッと注文してくれる。優しい。
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「それで、どうしたの？急に」
潤「いや、Aそういえば来週からテストだって言ってたなと思って、日曜に遊びに行ったりしたら勉強出来ないだろうなって」
「あ…そうだったんだ。別に良かったのに、月曜日数学だけで他は簡単な教科だから」
潤「ダメダメ、それで悪い点数取られたら俺責任感じちゃうもん(笑)」
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目を少し細めて、ふふ、と笑う潤くん。
この顔を見てどれだけの女の子が潤くんの虜になってきたんだろう。
そんな潤くんと他愛もない話をしていると、オレンジジュースとアイスコーヒーでございます、と店員さんがそれぞれの目の前に置かれる。
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ありがとうございます、とちゃんと店員さんの目を見て言う潤くんに、ほっこりする。
一口オレンジジュースを飲むと、潤くんが「あのさ」と口を開いた。
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多分私は、きっとこの空間に、この人に、油断した。
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潤「あんまり、自分から人のこと模索するような事聞きたくないんだけど」
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潤「…俺じゃ、頼りになんないかな」
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潤くんがあまりに優しくて、柔らかい声でそんなことを言うから。
…油断したんだ。
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45.好きな人の前で素直になれたら、どれだけ楽なのか（8/16UP↓）→←43.手の届かない所にいっちゃった
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向日葵(プロフ) - ゆりかさん» ゆりかさんありがとうございます（＾Ｏ＾）かすみ草の花束の二宮先生を好きでいてくれて、本当に嬉しいです（ ; ; ） (2020年7月16日 17時) (
レス) id: fa5bd675fa (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - リサさん» 潤くんとの遊園地デート乞うご期待ですよ！！こんなにかっこいい先生いたらもうどうにかなっちゃいますよね、、（笑） (2020年7月16日 17時) (レス) id: fa5bd675fa (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - まゆみんさん» 先生〜！！！ってなりますよね！！（ ; ; ）放課後の教室ってなんでこんなにドキドキするんでしょうか（ ; ; ） (2020年7月16日 17時) (レス) id: fa5bd675fa (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか - 放課後の教室で二人で…なんて想像するだけで死にそうです！！！！かっこいい、更新楽しみにしてます(T . T) (2020年7月15日 12時) (レス) id: c394e2c95b (このIDを非表示/違反報告)
リサ - 二宮先生〜泣！！！もうかっこよくてかっこよくてたまらないです〜！！潤くんとの遊園地デートも楽しみです！！ (2020年7月15日 12時) (レス) id: 93ce5a79ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：向日葵
| 作成日時：2020年7月12日 18時
