悪女体質持ち、回避します。 (ページ7)

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ある日の英語の時間。前回やった小テストが返ってきた。

「わ、さすがA。90点代なんて見たことないわ」

「そう言うまひちゃんこそいい点取れてるじゃん」

「Aに教えてもらったからね!」

ありがと、としゅわしゅわする飴を貰った。今授業中ですけど…?

まひちゃんとお互いの答案用紙を見て話していたのだが、お隣さんも同じことをしているようだ。

「よっしゃ、角名に勝ったで!肉まん奢りな!!」

「うっそ、まじか。治に負けたんだけど……」

信じられない、というような感じで自分と宮治の答案用紙を何度も見比べている角名倫太郎。かなりショックを受けている。

対照的に、宮治はキラキラとした顔でめちゃめちゃ喜んでいる。そんなに肉まんが好きなのかな。女子がすごい見てるよ。

「まさか治、カンニングでもした?」

「いやしとらんわ。疑いすぎやろ」

ぶぷっとまひちゃんが吹いた。「ちょっと可哀想」と言っているが、笑いをこらえているので多分バカにしてるね。

でもまあ確かにこれは笑う。ぷぷぷ。

と、笑っていたのがいけなかっただろうか。

「俺はな、Aさんに教えてもらったんやで!」

……………………………………は?

ちょ、ちょちょちょちょっと待て。おい今なんて言った?え?

「ん?Aさん?」

そう聞き返しながらこちらをちらっと見た角名倫太郎。

「そうやで。めっちゃ英語できるんや。教え方も分かりやすいし」

「へー、そうなんだ」

今度はこっちをガン見してくる。やばい。やばい予感しかない。もしかすると、この流れだと、もしかして………!

「ねぇ、Aさん」

「あ、はい……何か?」

「治に英語教えてたんだよね?」

「え……うん」

「俺にも教えてくれない?」

うわっ、終わった………………!!