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キャーーッ
と、一斉に悲鳴が飛び交う。
やたらと女子が多い観客席。
日曜日。
小瀧くんに誘われたサッカーの試合をしげと見に来たけど
「耳キーンなるな」
重「ほんまにー」
女子が多すぎてびっくりした。
小瀧くんがゴールを決めたときの悲鳴には本当に驚いた。
私もわー！ってなったけどあんな風にはなれないな
一方で隣にいるしげは
重「はっ、俺の方が断然うまいわ」
なんて言ってるし。
なんでいつも勝負したがるんだろ
「えー、でもうまくない？小瀧くん」
重「そーか？」
「うん、1年生やのにレギュラーやねんて」
重「ふーん」
何を言っても批判的。
深くキャップをかぶって
あっついわーって言いながらうちわであおぐ。
…おっさんやな、
「そんなに小瀧くんのこと嫌いなん？」
重「うん、気に食わん」
「どこが？」
重「なんとなく」
「は、？」
そんななんとなくで人嫌うとかある？
しかもちゃんとしゃべったこともないのに？
あー、ほんまに子供やこの子
そんな話をしながら試合を見ていたら前半の45分が終了した。
高校で行われているこの試合では観客席と選手の席は行き来することができて
黄色い声援を送っていた女の子たちが小瀧くん、小瀧くん、ってたくさん差し入れを持って行くのが見えた。
重「ほんまえぐいな、あいつの人気」
「うん、どっかのアイドルみたいやな」
なんて言いながら持って来ていたジュースを飲み干す。
「あー、なくなってもうたわ」
重「俺も。A、買うてきてや」
丁度飲み終えたらしいしげがニンマリと笑う。
そんな可愛い顔したって行かないから、
座ってるだけで暑いのに、歩いて買いに行くとか論外やし、
「じゃあジャンケンしよ」
重「えー、どっち？」
「じゃーあ、勝った方」
重「男気やな、ええで」
じゃんけーん
ぽん
「ありえへん」
重「わーい」
見事に勝ってしまった私は校庭の裏にある自販機へと向かった。
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作者名：hima | 作成日時：2018年11月1日 21時
