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YG
『ふーん、あんたも大変なんだね』
「あー、そうだよ。」
『飛び降りる気なんて無かったんでしょ。』
「まぁな。けど、あそこ立ったら、飛び降りたくなる」
「お前は、なんで」
『死ぬために決まってるでしょ』
「お前、可笑しいんだな。」
『あんたも、十分。てか、死ぬ以外に夜遅くこんなとこ来ないでしょ。』
「それもそうだ」
『けど、あんたが居たからやめた。』
「なんで」
『だって、もうすぐ死のうとしてる人の最期を見てあげるたいでしょ？けど、あんたには、意思が無かった。だから、死ぬのやめた。』
「は？」
『とりあえず、この話やめよ』
「じゃぁ、なんでそんな良い服着てる？」
『んー、いいとこ突くけど、単純。
死ぬには良い服着といたほうが良いと思って』
『じゃぁ、私があんたを探してたって言ったら？』
「……ありえねー、逆になんで探すんだよこえーよ」
『私の歌、聞く？』
「おう」
舐めてた俺が馬鹿だったよ。
ネイティブな英語、高音で響く声、だけど聞き心地が良い。
透き通る声と、ハスキーボイスを使い分けて、
歌を伝えている。
歌っている、月に照らされた姿が
見たことないくらい、美しかった。
芸能界には、整った人が何人も居るけど、こいつには叶わないだろう。
ほんとうに、愛おしかった
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作者名：nora | 作成日時：2017年7月26日 20時
